慶応大の岡野栄之教授らのチームは、人工多能性幹細胞(iPS細胞)から作った神経のもとになる細胞を脊髄損傷の患者4人に移植した臨床研究について、最長4年間の観察で、腫瘍や重い副作用は確認されず、長期的な安全性に問題はみられなかったと、21日付の英科学誌ネイチャーメディシンに発表した。
チームは2021年12月以降、スポーツ中のけがや交通事故で運動機能や感覚を失った負傷後2~4週の亜急性期の脊髄損傷患者4人に、健康な他人のiPS細胞から作った神経前駆細胞を移植し、その後の経過を観察した。
手足の運動機能や脊髄損傷の重症度は、過去の同様の患者データと比べて改善がみられた。移植した細胞が神経回路の修復を促した可能性がある一方、細胞の生着は確認できていない。対象も4人と少ないことなどからチームは「有効性は今後、検証する必要がある」としている。
慶応大発ベンチャーのケイファーマは、この亜急性期の脊髄損傷の治療の実用化に向けた臨床試験(治験)の準備を進めている。
























