犠牲となったベトナム人実習生チャン・バン・ソンさんを悼む兄ティエンさん=1日午前、熊本市
 犠牲となったベトナム人実習生チャン・バン・ソンさんを悼む兄ティエンさん=1日午前、熊本市

 熊本県甲佐町の工場で技能実習生として働いていたベトナム人のチャン・バン・ソンさんは来日から数カ月で熊本地震に遭い、職場で犠牲となった。息子が生まれたばかりで、故郷に家を建てるのが夢だった。駆けつけた兄は、仕事熱心で家族思いだったと惜しみ「まだ息子の顔を直接見られていないのに」と嘆いた。

 ソンさんはベトナム北部ニンビン省の出身。昔から朗らかな性格で、魚釣りが趣味だった。妻と結婚後、家族に良い生活をさせたいとの思いで技能実習生としての来日を決意し、日本語の勉強に注力。単身で渡航した。

 日本では甲佐町の金属加工場で働いた。同じく来日し、兵庫県で働く兄のティエンさんには「日本での仕事は大変なこともある」と打ち明け、当初は、異国の地での生活に戸惑う様子も見せていた。

 素直で優しい人柄。最近、ベトナムで妻が出産し「子どもの将来のために働くことが目標になった」と口にしていた。

 1日には熊本市内の教会で、葬儀ミサが開かれ、同僚ら約200人が参列。ベトナム語と日本語で祈りがささげられ、参列者が献花した。