東日本大震災で被災した岩手県の三陸鉄道を視察し、「語り部」の研修を受ける第三セクターのと鉄道の社員ら=2024年7月(同鉄道提供)
 東日本大震災で被災した岩手県の三陸鉄道を視察し、「語り部」の研修を受ける第三セクターのと鉄道の社員ら=2024年7月(同鉄道提供)

 石川県の第三セクター、のと鉄道の観光列車内で、乗務員の宮下左文(みやした・さふみ)さんがあの日の体験を語り始めた。2024年の元日、乗務中に揺れに襲われ、乗客を駅から高台に避難させた-。涙交じりの説明に、家族で乗車した穴水町の女性(33)は「当時を思い出して涙が出た。復興はまだまだだと思っていたが、少しずつ進んでいると実感できた」と話した。