自治体のごみ処理施設が更新時期を迎え、人口減少局面に入る中、市町の枠を超えた広域処理が各地で進む。財政負担の軽減に加え、処理に伴う環境負荷を減らす効果も期待される。社会課題を見据えて中長期的な計画を練るとともに、住民もごみへの関心を深めたい。
神戸市と芦屋市は昨年3月、可燃ごみの広域処理に合意した。2030年度以降の実施を目指す。芦屋市は稼働から約30年が過ぎた処理施設の建て替えをやめ、神戸市内の施設に運ぶ。処理費用を同市に支払っても、単独で施設を建てるより支出を4割減らせるという。
加古川、高砂、稲美、播磨の東播2市2町は22年に広域ごみ処理施設を稼働させた。淡路島では島内3市の処理を担う新施設の整備が進む。
国は1997年以降、各自治体にごみ処理の広域化や集約化を促し、全国の焼却施設数はほぼ半減した。
ただ集約化の際には、人口減を踏まえた処理能力の適正化が不可欠だ。国立環境研究所(茨城県)は昨年11月、全国の自治体のごみ処理量や内訳、施設の更新時期、将来のごみの予測などがわかる「一般廃棄物未来シミュレーター」をネット上で公開した。各自治体はこうしたデータに基づき、周辺の市町とも連携して持続的な処理体制を築く必要がある。
一方、地域住民の理解が得られず、広域処理計画が進まない自治体もある。集約化による周辺環境の悪化や、災害時に自前の処理施設を持たないことへの懸念などを住民側が抱いているためだ。
費用削減効果や大規模災害発生時の広域連携の重要性などを丁寧に説明し、十分な理解を得ることが求められる。脱炭素化や排熱の活用など社会課題に対応する処理施設の将来像について議論を重ね、住民の合意を得る努力が欠かせない。
分別やリサイクルの徹底も重要だ。同じ生活インフラでも使用量に応じて料金を支払う水道や電気と異なり、ごみ処理のコストは住民に意識されにくい。無自覚に出し続ければ、地球環境の悪化と処理コストの増加で次代に二重の負担を残すことを地域全体で認識してほしい。























