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 衆院選で惨敗した中道改革連合はきのう議員総会を開き、党の立て直しを担う新代表に小川淳也衆院議員を選んだ。小川代表は「将来への希望を提供することで党への信任と期待は高まる」と述べた。

 だが道のりは厳しい。野党第1党が50議席を割ったのは戦後例がない。自民党単独で衆院定数の3分の2を超える数の力を得た高市早苗首相は「国論を二分する政策を大胆に進める」と豪語する。保守色を強める政権に対し、歯止めとなる野党の存在が欠かせないが、いまの中道では数も政策も心もとない。

 なぜ支持を集められなかったのか。高市政権への対抗軸となる政策は何か。他の野党とどう連携していくのか。歴史的大敗の要因を厳しく総括し、ゼロから出直す覚悟が要る。

 中道は、高市政権への対抗策として立憲民主党と公明党が衆院解散直前に結成した。衆院選で中道の当選者は公示前の3分の1以下の49人に減り、うち立民出身者の当選は21人にとどまる。比例代表で名簿上位に優遇された公明出身者は28人全員が当選し、立民側の不満は強い。

 枝野幸男氏、安住淳氏、岡田克也氏ら立民の党運営を主導してきた有力者や期待の若手の多くが議席を失い、人材不足は否めない。政策面では立民が公明に大幅に譲歩し、安全保障や原発政策を「現実路線」に転じたため、従来の支持者やリベラル層の離反を招いた。

 衆院選直後の共同通信世論調査では、中道の敗因に関し「最近まで争っていた政党が合流したから」が35・6%で最多となり、「準備不足」「共同代表に魅力がなかった」と続く。急ごしらえの新党が「選挙目当て」と見透かされたと言える。

 「野合」批判を払拭するには、党の理念や政策を練り直し、「国論」が極端に傾くのではという有権者の懸念を受け止められるかが問われる。劣勢が伝えられても比例代表では中道に1千万を超える票が寄せられた。その鍵は多様性や平和、生活者目線を重視する方向性だろう。党内論議を深め、国民に真摯(しんし)に訴えることが党再生の第一歩となる。

 執行部人事では、出身政党の枠を超え、女性や若手らの思い切った登用を進めるべきだ。

 国会の風景は一変する。

 予算委員長をはじめ主要な委員長ポストを与党が握り、野党側の質問時間を圧縮する動きもある。スパイ防止法など首相が目指す保守的な政策に親和性を持つ野党もあり、チェック機能の低下が危惧される。

 私たち有権者も、政権が国民を置き去りにして暴走しないか、野党はしっかり役割を果たそうとしているか、目を光らせる必要がある。