ミラノ・コルティナ冬季パラリンピックが6日(日本時間7日)に開幕する。第1回冬季大会がスウェーデンのエーンヒェルツビークで開かれた1976年から、今年で50年となる。国際パラリンピック委員会(IPC)は、勇気、強い意志、インスピレーション、公平の四つの価値を掲げる。困難を乗り越える精神力や創意工夫を尊び、多様性を認め合うとの趣旨だ。節目の大会に、その原点を再確認したい。
大会には約50の国・地域から600人以上の選手が参加する予定で、6競技79種目が行われる。今回の冬季五輪と同様、複数都市が会場となる。経済的な負担を軽減する新たな試みとして注目される。一方で選手や関係者の移動など、広域開催ならではの懸念は残る。五輪で得た経験も生かしながら、可能な限りスムーズな運営に努めてほしい。
日本は2022年の北京大会で金4、銀1、銅2の計7個のメダルを得た。今大会では、海外の開催では最も多い44人の選手派遣を決めた。全競技に代表を送るのは10年のバンクーバー大会以来となった。
ノルディックスキー距離男子の川除(かわよけ)大輝選手は2大会連続の金メダルを狙う。車いすカーリング混合ダブルスでは、昨年の世界選手権で優勝した小川亜希選手と中島洋治選手のペアに期待が集まる。心配なのは前回3冠のアルペンスキー女子、村岡桃佳選手だ。昨年11月に左鎖骨を折り、回復途上での出場となる。
日本選手団は半数近くを40歳超のベテランが占める。小川、中島ペアも50歳と61歳で、中島選手は「戦える姿を成績で証明したい」と頼もしい。兵庫ゆかりの選手は、スノーボード男子の岡本圭司選手、後田風吹選手、大岩根正隆選手の3人だ。どの選手も夢の大舞台で持てる力を存分に発揮してもらいたい。
今大会では、ウクライナ侵攻を続けるロシアと同盟国ベラルーシの資格停止処分が解け、国を代表する形で出場する。IPC総会での投票によるもので、この2国に対して国としての参加を禁じた冬季五輪とは異なる判断となった。これにウクライナが反発し、開会式のボイコットを表明した。欧州各国にも同調の動きが広がっている。
スポーツの祭典にこうした深刻な亀裂が生まれる中、米国とイスラエルがイランへの攻撃を始めた。国連総会で採択された五輪とパラリンピック開催期間中の休戦決議を踏みにじる行為である。
五輪憲章は「人間の尊厳の保持に重きを置く平和な社会の推進を目指す」とうたっている。参加各国は今こそ、五輪・パラの崇高な理念を尊重しなければならない。

























