2026年度政府予算が7日成立し国会は後半戦に入った。
高市早苗首相は唐突な衆院解散・総選挙で審議入りを遅らせながら年度内成立に固執し衆院通過を急がせた。しかし少数与党の参院で数の力は通用せず、年度初めの「つなぎ」となる暫定予算を11年ぶりに編成する事態となった。首相が「国論を二分する政策」と唱える重要法案の審議に向け、国会軽視の姿勢を改めるべきだ。
衆院選大勝で自信を深めた首相は年度内成立を与党に指示し、予算委員会は坂本哲志委員長(自民)が職権乱発で日程を決めた。質疑時間は00年度以降で最も短かった。衆参とも首相の答弁機会は大幅に減り、議論は深まらなかった。国民の代表である国会が予算案を点検し、政府に疑問点をただす財政民主主義にもとり、看過できない。
米国とイスラエルによるイラン攻撃への対処も問われた。外交・安全保障の在り方だけでなく、原油の供給不安で物価高騰など生活への影響も懸念される。ガソリン価格補助など財政出動には限度があり、備蓄はいずれ底をつく。首相は「必要量は確保している」と強調するが、国民への需要抑制呼びかけなど迅速な対応が求められる。
首相の説明不足は国会審議にとどまらず、第2次政権が発足した2月18日以降、会見も開いていない。一方で交流サイト(SNS)のX(旧ツイッター)を多用し、予算審議でも「Xで書かせていただいた」と答弁しているが、スマホを持たない高齢者などSNSを利用しない有権者も少なくない。国民が政策を理解するためにも、説明を尽くし、疑問の声に答える会見の場を節目節目で設定するのは当然の責務だ。
後半国会では国家情報会議設置や国旗損壊罪の制定、衆院議員定数削減など首相肝いりの法案を巡る論戦が本格化する。国民の賛否が分かれるテーマも多く、熟議を重ねる必要がある。
与党は衆院で4分の3超の議席を持つ。参院で野党が法案を否決しても衆院で再可決できる。だが強引な国会運営を続ければ政権の体力は消耗し、二院制は形骸化する。首相は謙虚さを忘れず、幅広く丁寧な合意形成を図らねばならない。
























