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 南米ベネズエラで起きた連続大地震は、発生から1週間が過ぎた今も被害の全容がつかめない。2日時点で2500人超が死亡し、負傷者は1万2千人を超える。国際人道支援団体は行方不明者が5万人に上るとしており、犠牲者はさらに増える恐れがある。人命救助を最優先に国際社会が結束し支援せねばならない。

 震源はベネズエラ北西部のヤラクイ州で、6月24日午後6時過ぎにマグニチュード(M)7・2の地震が発生し、約1分後にM7・5の地震が続いた。AP通信は同国で過去100年以上の間に起きた最大規模の地震の一つと伝えている。

 震源から東に約170キロ離れた首都カラカスや、その北部に位置するラグアイラ州で高層住宅が倒壊するなど甚大な被害が出ている。ロドリゲス暫定大統領は国家非常事態を宣言し、国民に冷静な対応と団結を呼びかけた。

 余震も頻発し、各地で停電や断水が相次いでいる。多くの被災者が屋外避難を余儀なくされ、救助活動の遅れや医療体制の逼迫(ひっぱく)、食料の供給不足が深刻化する。世界保健機関(WHO)は黄熱病やデング熱など感染症のリスクも高まっていると警鐘を鳴らす。被害状況の把握を急ぐとともに、これ以上混乱が拡大しないよう、各国・機関が連携して支援に全力を尽くしてほしい。

 ベネズエラでは政情不安が続いている。今年1月にはトランプ米政権が軍事介入に踏み切り、独裁的な反米左派政権を率いるマドゥロ大統領を拘束し米国に連行した。後を受けたロドリゲス暫定政権は米国との協調路線に転じたが、物不足や高インフレは解消せず、国民生活に改善は見られないという。政府の災害対応が後手に回っているとの不満も噴出しており、社会不安に拍車がかかる懸念がある。

 米国は人命救助のための資金拠出を3億ドル(約485億円)以上に増やしたと発表した。300人以上の救助チームを派遣したほか、米軍の輸送機やヘリなどを動員し、政府を挙げた支援に取り組んでいると強調する。現体制の発足に深く関与した以上、今後も行政機能の立て直しやインフラ復旧、経済支援などに率先して対処するべきだ。

 ベネズエラはプロ野球に多くの選手を輩出するなど、日本となじみの深い国だ。日本政府は国際協力機構(JICA)を通じ、緊急援助物資を送ることを決めた。民間の医療支援チームも現地入りし救援活動を始めている。阪神・淡路大震災や東日本大震災などを経験した災害大国として、蓄積してきた知見を提供するなど復旧・復興に向けた長期の支援に主導的な役割を果たしたい。