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 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設工事が進む同県名護市の辺野古沖で船が転覆し、同志社国際高校(京都府京田辺市)の生徒と船長の2人が死亡した事故で、同校を運営する学校法人同志社が第三者委員会の調査報告書を公表した。

 第三者委は「安全管理体制などの不備こそが、本件事故発生の最大の原因」とした。さらに「多くの教員に、生徒の安全確保のための『想像力の欠如』があった。猛省しなければならない」と断じた。安全を軽視した学校側の責任は極めて大きい。重く受け止めてもらいたい。

 事故は今年3月に起きた。平和学習中の同校生徒が乗る「抗議船」2隻が転覆し、2年生の女子生徒と船長が死亡、14人が負傷した。波浪注意報が発令されていたが、教員は中止せず、乗船もしていなかった。

 第三者委の委員は弁護士3人で、関係者からの聞き取りや現地視察、資料の検討などの結果、法人の安全配慮義務違反を認めた。理由には、船の大きさや性能、海域の安全性などを調べておく必要があったのに、下見を一度もしていなかった点などを挙げた。教員の安全意識は乏しかったと言わざるを得ない。

 報告書は乗船当日の対応も問題視した。教員は警報が発令されているかどうかのみを確認し、船長との間で航路などの打ち合わせもしていなかった。安全管理を船の運航団体に任せていた実態がうかがえる。

 見過ごせないのは、学校側が船長に「根拠のない信頼」を寄せ、乗船プログラムが始まっていた経緯だ。船長は牧師でもあり、沖縄研修の開会礼拝をしていた。その縁で船長が乗船を持ちかけ、教員らは抗議船を使う認識がないまま校内で提案したという。危険性を伴う学習なのに、導入過程があまりに安易だった。

 報告書は事故原因の一つとして、危機管理マニュアルの不備にも触れた。校外活動全般についての記載がなく、引率者の乗船や気象条件のルールが守られなかったとした。第三者委は全国の学校にも、文部科学省の通知に基づいたマニュアルの整備・確認を呼びかけた。同様の事故の再発防止に向けて、各校で校外活動の安全対策を徹底しておきたい。

 この事故を巡っては、国が海上運送法違反容疑で船長を刑事告発し、女子生徒の遺族も、業務上過失致死傷などの容疑で校長や運航団体共同代表らを告訴した。捜査機関による事故の原因究明が待たれる。

 ただ、事故の問題と平和学習の在り方は分けて考える必要がある。安全を確保した校外学習が可能なのは言うまでもない。沖縄には貴重な戦跡などが多い。平和を学ぶ機会が失われることがあってはならない。