多彩な靴下が並ぶ「ユイ」の直営ショップ。「発信できる場がつくれてよかった」と話す吉浜幸一さん(右)と店長のジャコサレム・マグダレノさん=南あわじ市福良甲
多彩な靴下が並ぶ「ユイ」の直営ショップ。「発信できる場がつくれてよかった」と話す吉浜幸一さん(右)と店長のジャコサレム・マグダレノさん=南あわじ市福良甲

 創業113年の靴下メーカー「ユイ」(兵庫県南あわじ市福良(ふくら)甲)が今春オープンした工場直営ショップが人気だ。バナナの茎を活用したエコなソックスや1足300円のお値打ち品など、多彩な商品を取りそろえる。秋冬シーズン向けも用意し、「足元が冷える季節にぴったりの、お気に入りの一足を探してみては」と呼びかける。(劉 楓音)

 淡路島の旧三原郡では明治時代から靴下製造が始まり、福良地域を中心に発展した。最盛期には十数社が工場を構え、現在も3社が残る。

 ユイは1913(大正2)年創業。長く家族で経営してきたが、4年前に大阪・岸和田の産業資材メーカーのグループ会社となった。福良地区に2工場があり、針数の異なる5種類の編み機約100台が稼働。中国にも工場を構え、カジュアル品からスポーツ向けまで幅広い商品を受注生産している。

 「ものづくり業界の厳しい環境で生き残っていけるように」と自社ブランドも展開。一昨年にはオンラインショップも立ち上げた。さらにPRの場を広げようと、本社敷地内の遊休スペースに着目。元々は仕上げ工程で使用していたが、この20年ほどは物置き場になっていた。

 社員らが今年3月から1カ月かけてDIYで改装して、直営ショップとして4月にオープン。観光スポットにも近いため、島外からの買い物客も訪れるという。

 目玉はバナナの茎の繊維を使った「バナナクロス」と消臭効果のある特殊な糸を編み込んだソックスだ。廃棄されていた茎を活用した生地で、テレビ番組などで取り上げられて話題に。オーストラリアや香港など環境保護への関心が高い海外市場でも好評だという。

 1足でどんなサイズでもフィットする伸縮性の高い靴下や、ファッション系の大学とコラボレーションした靴下も展開。親会社の所在地にちなんだ「だんじりソックス」といった変わり種もある。余り糸を使った品は1足300円、5足で千円とリーズナブルで地元住民にも喜ばれている。

 目標は「日本を代表する靴下メーカーになること」と高く掲げる。専務の吉浜幸一さん(48)は「ショップでは量販店と比べても遜色のない価格で提供している。観光で淡路島に来た際には立ち寄ってもらい、ファンになっていただけたら」と話す。

 午前10時~午後5時。年中無休。同社TEL0799・52・0131