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 サッカーのJリーグの新シーズンが始まった。従来の2月開幕、12月閉幕から変更され、8月開幕、来年6月に優勝が決まる「秋春制」となる。欧州主要リーグの開催時期と合わせ、より質の高い試合を目指す。発足から30年余りが経過したJリーグの「世界基準」への新たな挑戦に期待したい。

 Jリーグは1993年に「春秋制」でスタートした。年々、国際化が進む中、シーズン移行は2023年12月に決定した。

 世界のサッカーは欧州リーグを中心に動く。英国やドイツなどと時期をそろえることで選手の海外移籍が円滑になる。海外からの選手の獲得、監督の招聘(しょうへい)も容易になる。Jリーグの主力選手がシーズン途中で引き抜かれ、戦力や戦術に影響を受けるリスクを減らせる利点もある。

 ヴィッセル神戸が出場するアジアのクラブ王者を決める「アジア・チャンピオンズリーグ・エリート(ACLE)」は既に秋春制を導入している。これまではJリーグの佳境と1次リーグが重なることが多く、選手の心身の負担は大きかった。シーズン移行に伴い、特別大会「百年構想リーグ」に続く神戸のJリーグ連覇と、悲願のACLE制覇が現実味を帯びてくる。

 秋春制によって高温多湿や猛暑下の試合が減り、選手のパフォーマンス向上やプレーの質が高まる効果は期待できそうだ。スピードと迫力にあふれる試合が増えれば、国内外からの注目も高まるのではないか。

 一方で、課題も残る。最も懸念されるのが、冬場に試合開催や練習が難しい降雪地域のクラブのハンディだ。移行前の議論では、アルビレックス新潟が反対を唱えた。Jリーグはこれらの地域に配慮し、12月中旬から来年2月中旬をリーグ戦の中断期間とする。また、降雪地域のクラブを中心に練習環境の整備や、キャンプの費用などに助成金を出す。地域密着を理念に掲げるJリーグは対話を重ね、課題解決に努めてもらいたい。

 日本代表は8大会連続でワールドカップ(W杯)に出場し、北中米3カ国大会でも強豪相手に奮闘した。「歴史的転換」となる移行の効果を、日本サッカーのさらなるレベルアップにつなげていくことが重要だ。