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 自民、日本維新の会の与党と国民民主党が衆院議員定数(465)のうち比例代表を31削減する案に合意し、今国会に関連法案を共同提出する。3党が賛成すれば与党が少数の参院でも過半数に達するため、成立する見通しが高まった。

 議員を減らすことは国民の代表を減らすことにほかならない。しかも比例だけ削減すれば中小政党への支持がさらに反映されにくくなる。国民民主以外の野党が「民意の切り捨てだ」と反対するのは当然である。

 選挙制度は民主主義の土台であり、そのルールの変更を数の力で押し切ることがあってはならない。幅広い合意形成とは程遠い現状での法案提出は見送るべきだ。

 現行の小選挙区比例代表並立制が導入された1996年以降、31減は最大の削減幅となる。3党は人口減少の推計に基づくと説明するが、人口比では日本の国会議員数は他の先進国に比べて少ない。削減の必要性や削減幅の根拠は乏しい。

 世論調査では定数削減への賛成意見が多い。これは相次ぐ「政治とカネ」の問題や国会の機能不全などが招いた政治不信の表れである。自民の派閥裏金問題で政治課題化したもののたなざらしになっている企業・団体献金禁止を含む政治資金規正法の改正や、熟議と監視機能の充実に向けた国会改革を優先するのが筋だ。政治家が「身を切る」なら、議員歳費や政党交付金を大胆に減らす方が直接的でよほど分かりやすい。

 自民と維新の連立合意に基づく定数削減法案は、与野党協議で1年以内に結論が出なければ比例代表を45減らす内容だった。先の国会に提出されたが野党の反発で継続審議となり、今国会での成立を急ぐ自民が31減の折衷案を示した。

 当初削減に反対していた国民民主が賛同に転じたのは理解に苦しむ。政党間の連携を促す統一名簿や中小政党が議席を得やすい方式の採用など「提案が認められた」とするが、削減を是とした説明は足りない。与党に恩を売り、独自策の実現をアピールする党利党略が透けて見える。

 弊害は、少数政党に不利というだけではない。現職に有利な小選挙区の比重が高まり、さまざまな背景を持つ候補者が擁立されやすい比例が減ることで、女性や若者の参画の道が狭まる恐れがある。実際に2月の衆院選で当選した女性議員68人のうち40人が比例選出だった。政治の多様性を阻み、多数派への権力集中を加速させかねない。

 参院との役割分担を含む選挙制度の抜本改革は先送りとなった。多党化が進む中、民意を的確に反映する抜本的な制度改革を有識者による第三者機関で議論する必要がある。