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ニュージーランド戦でゴールを決めた香川真司(左)に駆け寄る岡崎慎司。2人のシンジが日本代表を長く支えてきた=2014年3月、東京・国立競技場 サッカーW杯ロシア大会のコロンビア戦でエースFWファルカオと競り合う昌子源=2018年6月、ロシア・サランスク 神戸新聞NEXT 神戸新聞NEXT
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ニュージーランド戦でゴールを決めた香川真司(左)に駆け寄る岡崎慎司。2人のシンジが日本代表を長く支えてきた=2014年3月、東京・国立競技場

サッカーW杯ロシア大会のコロンビア戦でエースFWファルカオと競り合う昌子源=2018年6月、ロシア・サランスク

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  • ニュージーランド戦でゴールを決めた香川真司(左)に駆け寄る岡崎慎司。2人のシンジが日本代表を長く支えてきた=2014年3月、東京・国立競技場
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■世界開いた2人の“シンジ” 

 それまで低かった日本代表への評価は、開幕後に一変した。

 今年6~7月に開かれたサッカーのワールドカップ(W杯)ロシア大会。ベテラン中心の「おっさんジャパン」、スポンサーに配慮した「忖度(そんたく)ジャパン」とも揶揄(やゆ)された日本は強豪ぞろいの1次リーグを突破し、2大会ぶりに16強入りを果たした。決勝トーナメント1回戦でもベルギーをあと一歩のところまで追い詰めるなど下馬評を覆す大躍進に、日本中が熱狂した。

 快進撃を支えたのが、兵庫から世界へ羽ばたいた2人の“シンジ”だった。

 神戸市垂水区出身のMF香川真司(29)=ドイツ・ドルトムント=と兵庫県宝塚市出身のFW岡崎慎司(32)=イングランド・レスター。ともにJリーグで結果を残し、香川は21歳で、岡崎は24歳でそれぞれ世界最高峰のヨーロッパに向かった。

 Jリーグの誕生は1993年、日本のW杯初出場は98年のフランス大会。日本サッカー界は「平成」とともに大きく変わった。2人もその潮流に乗る。

 「世界に出なきゃいけない」。香川はセレッソ大阪を離れた決意を端的に語った。世代別日本代表をはじめ、2008年北京五輪、10年W杯南アフリカ大会のアジア最終予選を経験。平成元年生まれの青年は数々の死闘に身を置いたことで視線を外に向けた。

 岡崎は底辺の自覚から飛躍した。サッカーの強豪、滝川第二高(神戸市西区)から入団した清水エスパルスでは「30人いれば、30番目の選手」。陸上の専門家の知見を生かして走り方から見直すと点取り屋の才能が花開き、香川の半年遅れでドイツに渡った。

 世界各国から続々と実力者が集まるヨーロッパ。多くの日本人選手が競争に敗れて去る中、2人は試練を経てなお、生き残る。

 香川は12年夏、世界的名門のマンチェスター・ユナイテッドに移籍。いわゆる「ステップアップ」に成功したが、出場機会を確保できず、14年に戻ったドルトムントで復調した。岡崎も所属クラブの監督が変わるたびに一からのアピールを余儀なくされたが、最後は信頼を勝ち取り、リーグ優勝も味わった。

 2学年違いの両雄は、ともに日の丸と国民の期待を一身に背負ってきた。勝てば称賛、負ければ批判。重圧との戦いの中、今夏のW杯ロシア大会には香川が2大会連続、岡崎は3大会連続で出場した。

 香川は勢いをもたらした。前回大会で大敗を喫したコロンビアとの1次リーグ初戦。日本代表がPKを獲得した前半6分、「(エース背番号の)10番に責任を持って戦ってきた」とゴール中央に先制点を決め、白星発進に導いた。

 岡崎は体を張った。日本代表歴代3位の得点記録を持つが、大会前に足首を負傷。途中出場したセネガルとの第2戦終盤、ゴール前でつぶれ役となり、引き分けに持ち込む同点弾を“アシスト”した。

 兵庫のアスリートによる欧州挑戦記-。全ては2人のシンジから始まった。

■兵庫から続々と海外へ

 今夏のサッカーワールドカップ(W杯)ロシア大会。MF香川真司(29)、FW岡崎慎司(32)と同じピッチに、神戸市北区出身のDF昌子源(しょうじげん)(26)=鹿島アントラーズ=もいた。

 「むちゃくちゃ昔からセリエA(イタリアリーグ)を録画で見ていた」という昌子。9歳だった2002年には神戸のスタジアムで日韓W杯の熱気を体感した。ロシア大会ではJリーガーとして唯一先発を果たし、16強入りに貢献。この冬はフランス行きが濃厚だ。

 次代の大黒柱として期待されるMF堂安律(どうあんりつ)は尼崎市出身の20歳。ガンバ大阪からオランダ1部リーグ、フローニンゲンに移った昨季は9得点をマークした。ロシア大会での代表入りは逃したが、20年東京五輪、22年W杯カタール大会のエース候補に挙げられる。

 ロシア大会の日本代表は「ベテランばかり」などと報道されたが、堂安は「俺ら若手が駄目だから」と言い切る。W杯後にメンバーを一新して臨んだ国際親善試合は全5試合に出場し、1得点を挙げるなどアピールに成功した。オランダでは今季開幕からゴールを量産。「日本代表の中心にならないといけない」と誓う。

 日本サッカーのプロリーグ、Jリーグが誕生したのは1993年。ヴェルディ川崎(現東京ヴェルディ)を初代王者に導いたのが、「カズ」こと三浦知良(かずよし)だ。

 高校時代にブラジルへ渡り、プロとして活躍後に日本へ。その後もイタリアなどでプレーし、ヴィッセル神戸でも活躍した。W杯出場こそならなかったが、51歳となった今もJリーグ2部(J2)の横浜FCで現役を続ける。

 サッカーブームを呼んだJリーグ発足から2年後の95年、プロ野球界屈指の右腕、野茂英雄が近鉄を退団し、米国に渡ってドジャースとマイナー契約を結んだ。独特の「トルネード投法」で打者を翻弄(ほんろう)。236奪三振でタイトルを獲得し、13勝6敗、防御率2・54で新人王に輝いた。

 野茂の成功は、日本と米国の距離を一気に縮める。翌96年は神戸市出身のマック鈴木が日本球界の経験がない選手として初のメジャーデビューを飾ると、97年には加古川市出身のオリックス・長谷川滋利(しげとし)、尼崎市出身のロッテ・伊良部秀輝らがメジャーへ。2001年にはオリックス・イチロー、阪神・新庄剛志が野手として初めて海を渡った。

 西宮北高から関学大を経てドラフト1位でオリックスに入団した俊足巧打の田口壮は、イチローらとともに1995年のパ・リーグ制覇、96年の日本一に貢献。2002年にはフリーエージェント(FA)権を行使しカージナルスへ。06年にワールドシリーズ制覇の歓喜を味わうなど、40歳になるまで米国でプレーした。

 サッカーや野球などで海外移籍が活発になり始めたころ、神戸市出身のスプリンター2人が世界への挑戦を本格化させていた。伊東浩司と朝原宣治(のぶはる)だ。

 朝原は1993年、100メートルで10秒19の日本記録を樹立すると、97年には10秒08に記録を短縮。アトランタ五輪では日本人として28年ぶりの準決勝に進み、北京五輪400メートルリレーでは銀メダルを獲得した。3学年上の伊東は94年に200メートルで20秒44の日本記録をマークすると、その後も20秒29、20秒16と塗り替えた。98年には朝原に並ぶ10秒08を記録し、アジア大会では10秒00と9秒台に迫った。

 昨年、桐生祥秀(よしひで)が9秒98をマークするまで伊東の記録は破られなかった。10秒の壁を乗り越えた桐生に、「技術というより意地を感じた」と伊東。男子短距離陣が競い合う現状に、朝原も「ライバルの存在は大きい。モチベーションが違う」と自身の経験を重ねる。

 今年はテニス女子の大坂なおみが全米オープンで優勝し、日本選手として初めて四大大会を制覇した。93年の全米で日本選手16年ぶりとなる四大大会ベスト8入りを果たしたのは園田高出身の伊達公子。以降、四大大会で日本女子が8強以上に進んだのはウィンブルドン4強などの伊達をはじめ、全豪8強の神戸松蔭女子大出身・沢松奈生子、全米8強の園田高出身・浅越しのぶら4人だけだ。

 大坂の世界ランキングは4位に浮上。現行制度では95年の女子・伊達、2015年の男子・錦織圭に並ぶ日本勢最高だ。車いすテニス女子では明石市出身の上地結衣(かみじゆい)がアジアパラ大会シングルスを制し、東京五輪・パラリンピック個人の日本代表第1号に決定。平成生まれのアスリートが次々に台頭する中で、新元号で迎える東京に向けた争いはさらに加速する。=敬称略=(有島弘記、大原篤也)

2018/12/17

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