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大阪城公園で走る谷口真大さん(右)と松垣省吾さん=大阪市中央区
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大阪城公園で走る谷口真大さん(右)と松垣省吾さん=大阪市中央区

大阪城公園で走る谷口真大さん(右)と松垣省吾さん=大阪市中央区

大阪城公園で走る谷口真大さん(右)と松垣省吾さん=大阪市中央区

 2020年に控える東京パラリンピックを見据え、国は障害者スポーツの競技レベル向上を進めている。一方で、選手を指導したり競技を手伝ったりする人材は不足している。一般の視覚障害者が自由に運動する環境も整っておらず、課題が山積している。(阪口真平)

 競技支援者の不足は、競技を始める初心者ランナーにも及ぶ。視覚障害者のウオーキングやランニング活動を支援する「ひょうご伴走歩協会」(神戸市)は、県内7カ所で月に1~2回練習会を開き、視覚障害者は伴走者や伴歩(ばんぽ)者と共に汗をかく。同協会によると、走ることに魅せられて練習し、神戸マラソンでフルマラソンを完走した参加者も多数いるという。

 伴走、伴歩をする会員は約120人いるが、視覚障害者の方が多くなる練習会があり、伴走歩者に負担が重くなることもある。視覚障害者が練習会以外の場で練習をするのはさらに難しく、兵庫県よりも頻繁に練習会が開かれる大阪まで出向くケースもある。

 山下昌子事務局長は「大会を目指す人は毎日練習したいだろうが、そこまでサポートできないのは心苦しいところ。いつでも思いたったときに出掛けられるのが理想なのだが」と話す。

 東京の代々木公園を中心に活動する伴走歩サークル「バンバンクラブ」は、週1回の練習会で、視覚障害者と伴走者の走力が合わないことを解消できるよう、事前にインターネットで登録した人たちをマッチングしている。視覚障害者が個人で走りたいときは、会員への一斉メールで伴走者を探せる仕組みもある。

 会員約1400人のうち、4分の3は伴走歩者。荻原知佐子代表は「サークルに視覚障害者より3倍多く伴走者がいれば、ミスマッチを防げる」と語る。

 丹波市出身で、パラリンピックに伴走者として出場した日本大の近藤克之専任講師(障害者スポーツ学)は「パラリンピックの開催でトップ選手にはメダルを求める反面、競技の裾野が広がらないというジレンマがある。背景には指導者を目指す人が少ない点があり、競技経験者ではない一般市民でも支援者にはなれることを知ってもらいたい。裾野が広がらぬまま、競技力を上げるのは難しい」と指摘する。

2017/7/5
 

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