「第7回神戸マラソン」(神戸新聞社など共催)は11月19日に開催される。フルマラソンに一本化して2回目となる今回は、ポートアイランド内を走る距離が短縮されるなど、ランナーの要望に応える形でコースを一部変更。より走りやすくなった新コースの内容や注意点を、実行委員会の競技運営課長に聞いた。
■神戸大橋越せばあと少し
第7回は、一部コースを変更する。神戸マラソンのクライマックスは、終盤に迎える高低差25メートルの神戸大橋。第6回までは橋を越えた後にまだ3・8キロ走らないとフィニッシュできなかったが、その距離を3分の1程度の1・3キロに短縮。「神戸大橋を越えればもうすぐフィニッシュ」と思ってもらえる。
ポートアイランド内の距離については、毎年マラソン後に行っているアンケートで改善要望が多かった。多くのランナーの心理的負担が軽くなり、タイムにも反映されるはずだと期待している。
■折り返しを要チェック
ポートアイランド内で距離を短縮した分、コースを西に延伸。従来の明石海峡大橋(県立舞子公園付近)を通り越し、さらに1・26キロ西へ走ってから折り返すことになった。注意してほしいのが、この新しい折り返し。国道2号の交差点で折り返すのではなく、垂水区西舞子の「無添くら寿司」と「スターバックスコーヒー」の駐車場で左折して折り返し、右折で国道2号へ戻る。
駐車場内で折り返すマラソンは珍しいと思うが、スムーズな走行ができるものと想定している。理由の一つが国道と同じ約4メートルのコース幅を駐車場内でも確保している点。もう一つは、ウエーブスタート(時間差スタート)方式を採用する点だ。
ウエーブスタートは参加申込時の予想タイムをもとに参加者を何組かに分け、時間をずらしながら出走するスタート方式。スタート時やコース走行中の混雑緩和を図るのが狙いだ。神戸マラソンでは前回から導入し、参加者を二つのウエーブに分けて9時(約9千人)と9時15分(約1万1千人)に分割してスタートしたところ、全員がスタートラインを通過するまでにかかる時間が第5回に比べて約4分短縮した。2万人ものランナーが同時刻にスタートを切るのは不可能。9時15分にスタートする参加者は、9時に出走する人に比べて損をしている気分になりがちだが、結果として時間差を設けた方が全体的には早くスタートが切れる。
二つのウエーブを、さらに細かくブロック分けしているところも注目してほしい。9のブロック分けを行った第6回は、ウエーブスタート導入前の第5回よりも縦に長い集団へと変化した。その結果、国道2号が片側2車線から1車線になる塩屋~舞子間の最大通過人数が150~200人(5分間あたり)減少するなど、混雑が大幅に緩和。このデータ分析結果をもとに、新しい折り返しでも混乱はないと判断した。加えて、ブロックの数を前回の9から13へ拡大。2ウエーブ計13ブロックを設けてスタートすることで、より一層スムーズなスタート、コース走行ができるだろう。
折り返しは、ポートアイランド内のコース短縮を実現した結果、西へ延伸することになったが、必要十分なスペースを準備した。変更を知らなければ当日混乱して無駄な時間を取られかねないので、事前に確認して走ってほしい。
■後方ランナーの支援継続
第6回から始まった、ランナーの完走支援。制限時間の7時間でフィニッシュする「完走タイムリミットランナー」が30キロ地点から走り、完走を目指すランナーが目標にできる。女性2人が「完走タイムリミット」と書かれたピンク色のビブスと、目印となる風船を身に着けて走る。前回は蒸し暑い天候が影響して完走率が過去最低の96・1%にとどまったが、今回は完走率100%に少しでも近づいてほしい。
「完走タイムリミットランナー」とは別に、県内の駅伝強豪高校出身者がペースセッターを務める。目標タイム「3時間」~「5時間30分」の8区分、計24人がタイムを記したビブスと風船を着けて走る。