▽神戸市国際課 張潤滋さん
中国青島市出身で、京都教育大学に進学するため1994年に来日。2007年から神戸国際協力交流センターで留学生支援を担当した。13年から神戸市国際課に勤務し市長の通訳などを行う。
▽エピ・エスペランサさん
ニューヨーク市出身、2009年来日。豊岡市で外国語指導助手を4年間務め、神戸へ。会員制交流サイトを通じ神戸の魅力を英語などで発信する「KOBE・PRアンバサダー」を16年から務める。
張 第1回に出場して、初回の熱気を体感した。神戸マラソンの魅力は、走りながら観光地巡りができること。16年間神戸に住んでいるが、自分の足で走りながら一日で神戸の名所をこれだけ回れるなんて、再発見がいっぱいで得した気分。獅子舞やサンバなど国際性豊かな神戸ならではのパフォーマンスも走りながら見られるし、応援に来た夫や子どもたちがイベントなどに参加して飽きずに楽しんでくれていたのもよかった。
エスペランサ 米ニューヨーク出身で、神戸に住んで4年。インターネットの会員制交流サイト(SNS)を通じ、外国人の視点で神戸の魅力を発信する「KOBE・PRアンバサダー」を2016年から務めており、第6回に出場した。初マラソンで緊張したが、5時間58分で完走。沿道の熱心な応援に、何度も背中を押してもらった。
張 私が走ったときは長田区の声援が特に大きく感じて、コミュニティーのつながりの深さを感じた。阪神・淡路大震災時は学生で、京都に住んでいた。神戸ほどの揺れではなかったが、恐ろしくてすぐ外に逃げられるように家の中でも靴を履いていたのを思い出す。長田区周辺は大きな被害を受けながら復興を果たし、もっと強いまちになったことが応援から伝わってきて、大きなパワーをもらった。
エスペランサ 海と山の距離が近く、景色が素晴らしい神戸。それを堪能できるのが神戸マラソン。海外在住ランナーが年々増加しているらしいが、もっと外国人から愛されるマラソンになれるはず。SNSを英語表記で発信したら外国人も盛り上がれるし、外国語に対応できる関係者やボランティアが増えて「外国語を話せる」ことをより分かりやすく示してくれれば助かる。
張 故郷の中国でも、海外の人気マラソン大会を掲載するサイトで特集されるなど、歴史は浅いのに評判が高い。景色の美しさ以外に、中国から距離が近いことや完走すると神戸スイーツのご褒美がもらえることも人気につながっているらしい。何より経験者としては、沿道の温かい声援、おもてなしの心など人間味あふれる大会だと胸を張って言いたい。
エスペランサ 第7回も出走するので、前回よりも楽しんで走りたい。神戸が一つになれる感動的な体験。また味わえると思うとワクワクする。