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 中高年世代が集うスポーツの祭典「日本スポーツマスターズ」の兵庫大会が開幕した。バレーボールやテニスなど計13競技が神戸、西宮市など10市の試合会場で熱戦を繰り広げている。

 2001年に宮崎県で第1回大会が行われて以来、毎年秋に各都道府県持ち回りで開催されている。原則35歳以上が対象で、競技志向の高い選手、チームが参加することもあり「シニア版国体」とも呼ばれる。

 マスターズでは生涯スポーツを楽しむ人も、かつて第一線で活躍した選手と同じ舞台で競う。ただ順位を争うだけではない。健康の維持はもちろん、スポーツを通じた生きがいづくりにも重点を置いている。

 中高年のスポーツ参加は、とりわけ心身ともに自立した生活を送られる期間を指す「健康寿命」を延ばすとの期待を膨らませる。

 日本体育協会は、あらゆる世代が志向に応じて運動に親しむ環境づくりを進めるが、中高年世代はまだこれからの分野だ。協会は「この大会が、取り組みの空白部分を埋める役割を果たしている」と強調する。

 兵庫県内では、バスケットボールのクラブ大会で40歳以上対象のシニア部門の参加チームが20年で3倍以上に伸びている。若手が対象の一般部門の参加チームを上回っており、5年前からは50歳以上の部も設けているほどだ。

 神戸マラソンの出場選手は40歳代が最も多く、水泳や陸上など個人種目で中高年の参加が伸びていることも見逃せない。

 国や多くの自治体はこぞってこの世代の運動増進に力を注ぐ。兵庫県はスポーツ推進計画で「成年のスポーツ実施者の増加」を重点目標の2番手に掲げ、年間を通した実施率の向上などに取り組む。

 今回の大会は日韓スポーツ交流事業の韓国選手を含め、過去最多の約9千人が出場する。スポーツ熱の高まりとともに、1970年代生まれの団塊ジュニアが該当世代になっており、盛大さが増すのもうなずける。

 4年後には世界大会の「ワールドマスターズゲームズ2021関西」が開かれる。健康寿命延長などの成果を上げるためにも、環境の充実が欠かせない。

2017/9/18
 

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