独演会を開催すればチケットが完売、令和3年度NHK新⼈落語⼤賞優勝をはじめ、上⽅落語の定席、天満天神繁昌亭の繁昌亭⼤賞を最少キャリア・最年少で受賞するなど、⼈気、実⼒共に今最も注⽬される落語家、桂⼆葉(かつらによう)さん。最近ではお昼のバラエティー番組や「探偵!ナイトスクープ」のレギュラーを務めるなど、⼈気は落語界を越えて広がっています。
7月5日に発売された「桂二葉本」(京阪神エルマガジン社、2273円+税)は、⽣い⽴ち~学⽣時代、修業中~⼈気者となっ た現在の⼼境までを語るロングインタビューをはじめ、落語作家であり上⽅落語の⽣き字引・⼩佐⽥定雄⽒や同世代の春⾵亭⼀花⽒との落語談義、師匠や兄弟弟⼦との⼀⾨トーク、演芸写真家橘蓮⼆⽒による写真、天才ピアニストとの対談、芥川賞作家、井⼾川射⼦⽒の寄稿など ⾒応え、読み応えありの盛りだくさんな内容。
学童保育の指導員だった父親と「あんたは大器晩成やから」と育ててくれた母親の影響を受けて育ったという二葉さん。弟さんは「大阪市内で一番賢い公立高校へ行き、神戸大学へ進学」したとのこと。四苦八苦した修業時代を経て、入門8年目で女性初の快挙を成し遂げた「NHK新人落語大賞」の受賞。そのインタビューの最後「まぁ、ジジイども見たかっていう気持ちです」というコメントが注目され、New York Timesにも取り上げられました。
伝記のようなインタビュー以外にも、料理研究家の土井善晴さん、二葉さんがあこがれる戸川純さんらとの対談など多彩な内容。ファンはもちろん、これから落語を観てみたいという落語初⼼者も楽しめる⼀冊です。