窓やサッシなどを扱うYKK AP株式会社(本社:東京都千代田区)は、全国各地の計500人を対象に「窓と結露に関する意識調査」を実施。その結果、「毎日結露する窓には浴室の排水溝と同じくらいカビがいる」という事実に対し、94%が「知らない」または「聞いたことがある程度」と回答しました。
インターネットを用いた今回の調査では、全国各地の20~69歳の男女計500人を対象にアンケートを実施。
「冬の時期、あなたが現在お住まいの住居でお悩みはありますか」の問いに対し、1位となったのは39%の「光熱費がかさむ 暖房費など」 、2位は36%で「窓に発生する結露」 、3位は35%で「室内が寒い」という結果に。
また、上位に挙がった「結露」について「家の窓の結露を経験したことがあるか」の問いには、全体の77%が「ある」と回答。地域別にみると最も多かったのが東北地方で91%、次いで北海道地方で87%と、寒さが厳しい地域ほど結露を経験する人が多いようです。さらに、「ある」と回答した人に対し、「家の窓の結露で悩んだことがあるか」と問うと、68%が「悩んだことがある」と回答し、地域別では近畿地方の78%が最多となりました。
実は、「毎日結露する窓には浴室の排水溝と同じくらいカビがいる」そう。この事実について、全体の94%が「知らない」または「聞いたことがある程度」と回答しており、窓の結露を「対策をしていない」人が75%という結果が出ています。
カビ研究のプロである、千葉大学・真菌医学研究センター准教授の矢口貴志先生によると、「室内のカビを放置していると、人に健康被害を引き起こすリスクが高まります」とのこと。
「窓の結露」には要注意であり、外との温度差で窓が結露すると、水分と埃などを栄養源にサッシのゴムパッキンにカビが増殖。そのままにしておくと、カビが窓枠やカーテンにも広がる可能性もあるといいます。さらに矢口先生によると、「これまで報告された研究から『毎日結露する窓(冬季の1週間のうち4 日以上結露する窓※)』には『浴室の排水溝』と同程度のカビが存在していることが分かりました。カビは増殖し胞子を形成すると、その胞子を大量に吸い込むことによって呼吸器系のアレルギーなどの病気の原因になる可能性もあるので、日頃から結露しづらい環境に整えることが大切です」。
サッシのゴムパッキンに黒い斑点ができていたら、それらは多数のカビの胞子、菌糸の集合体だといいます。対策としては、「カビの栄養となる埃をためないよう日頃から窓を清潔に保ち、こまめに換気することで結露が起きないように心がけたいですね。窓で最も汚れやすいサッシのゴムパッキンは、結露によってどの程度カビが潜んでいるか目視でのチェックが可能です。黒い斑点が少しでも見つかれば『注意』」と矢口先生。結露しづらい「樹脂窓」「二重窓」に取り換えるのも有効だといいます。
※結露を毎日する窓のカビ数は1520cfu/㎠(浜田信夫著「サッシ窓の結露とカビ汚染の現状」より)、浴室の排水溝のカビ数が1015cfu/㎠(浜田信夫著「浴室のカビ汚染の現状とその対策」より)と判明しているため、同程度と判断しています。窓のカビ数はサッシの内側下のビード(ガラスパッキン)とレール部分の2か所で検証しています