株式会社スコラ・コンサルト(東京都品川区)は、このほど「転職や働くこと」に関する意識調査を実施しました。それによると、必要最低限の業務をしながら転職の意思があるわけではない、いわゆる「静かな退職」状態の人が全体の1割強を占め、性別・年代に関わらず均等に存在することが明らかになりました。では、社員のやる気が下がった理由にはどのようなことがあるのでしょうか。
調査は、社員100人以上の企業に勤める20~50代の男女2106人を対象として、2025年5月にインターネットで実施されました。役職内訳は、一般社員・係長1868人、管理職(課長・部長)238人となっています。
はじめに、「仕事やキャリアについての考え方」を聞いたところ、「会社やチームに貢献することを重視している」(61.5%)や「顧客や取引先・仕事相手に喜んでもらうことを重視している」(60.7%)など、自組織やその他のステークホルダーを重視する考えは約6割をました。
その一方で、「仕事よりもプライベートを大事にしている」(68.7%)や「仕事は収入を得る手段だと割り切っている」(73.6%)といった仕事について割り切った考えを持つ人は約7割に上ったほか、「入社時はやる気があったが今はやる気が下がった」(49.2%)、「割り当てられた業務以上のことはなるべくやらないようにしている」(40.8%)といった意見も見られました。
そこで、「割り当てられた業務以上のことはなるべくやらないようにしている」と答えた人の転職意向を確認したところ、「転職意向あり」は59.0%、「転職意向なし」は40.0%となり、「静かな退職」に該当する人は全体の16.3%存在すると推定されました。
また、転職意向別に年代・性別の内訳を見ると、「静かな退職」に該当する人は年代・性別にかかわらず、ほぼ均等な割合で存在することがわかりました。一方で、20~30代は他の年代と比べて転職意向が高い傾向が見られ、この年代が「割り当てられた業務以上のことをやらない」と考える背景には、転職を視野に入れた行動が影響していることがうかがえました。
「入社時はやる気があったが今はやる気が下がった」と答えた人にその原因を聞きました。その結果、「頑張ったことに対する評価や報酬が見合わない」(41.1%)が最も多く、次いで「会社の体質や企業風土に不満がある」(40.0%)、「昇給・昇進がほとんど期待できない」(38.7%)といった意見も挙げられました。