将棋の中七海女流三段(27)=神戸市出身=が、13日に囲碁・将棋チャンネルで放送された「第47期女流王将戦」の挑戦者決定戦で、福間香奈女流六冠(33)=清麗、女王、女流王座、女流名人、女流王位、倉敷藤花=を破り、タイトル戦番勝負の初出場を決めた。
中は昨年11月に女流棋士としてデビューしたばかりで、1年足らずでの挑戦権獲得。10月4日に始まる3番勝負で、西山朋佳女流二冠(30)=白玲、女流王将=に挑む。
女流タイトル八冠を福間と西山が分け合う二強時代。新星として期待される中は「福間さん、西山さんがすごく活躍されていて、私も実力は及ばないんですが、少しでも近づけるよう頑張りたい」と語った。
中は2011年にプロ棋士養成機関「奨励会」に入会。20年10月から、棋士への最終関門「奨励会三段リーグ」に参加したが、四段昇段(プロ入り)はかなわず、24年9月に年齢制限で退会。女流棋士に転向した。数々の棋士を育てた井上慶太九段=加古川市=門下。
デビュー後の通算成績は、本局も含めて24勝4敗。本年度は16勝3敗、勝率は8割4分超で女流棋士のトップとなっている(未放映のテレビ棋戦を除く)。
さまざまな戦法を繰り出すオールラウンダー。女流王将戦は今期が初参戦で、予選と本選で計7人を撃破。挑戦権を得て「ここまで勝てると正直思ってなかったので、まだ実感がわかないところです。あまり自分でも、ここまで勝てた要因はよく分からないです」と謙虚に振り返った。
3番勝負で戦う西山については「振り飛車党の豪快な攻め将棋という印象で、自分とは全然違う将棋を指されるので、見ていて、いつも気持ちがいいな、と思っています」とし、晴れ舞台では「良い内容の将棋が指せるように頑張りたいと思います」と誓った。
(小林伸哉)