自宅で完成した巨大「ガリレオファクトリー」を前に、メダルを投入して遊ぶ93歳の祖母/SANさん(@SanKun_Medal)提供
自宅で完成した巨大「ガリレオファクトリー」を前に、メダルを投入して遊ぶ93歳の祖母/SANさん(@SanKun_Medal)提供

孫が自作した巨大なメダルゲームで遊ぶ93歳の女性の様子がXに投稿され、話題になっています。投稿したのは、3DCADや3Dプリンターを使ってゲームを制作しているSANさん(@SanKun_Medal)。まるでゲームセンターに置かれているような本格的な仕様のメダルゲームで真剣に遊ぶ祖母の姿に、「どこから驚けばいいんだよwwwwww」「おばあちゃん、良い孫持ったな」などのコメントが寄せられ、8.7万件以上の「いいね」が集まりました。

幼少期の夢を形にしたというSANさんに、なぜこれほどの大作を一人で作り上げ、祖母に遊んでもらうことになったのかお話を聞きました。

今回投稿された動画に出てくるのは、ゲームセンターで人気の大型メダルゲーム「ガリレオファクトリー」。投入したメダルでボールを落とし、そのボールが複雑なコースターを転がり、ボールの行方しだいでさらなるメダル獲得を目指す仕組みです。SANさんは、このゲームの持つワクワク感とボールが織りなす精巧な動きを、自宅に丸ごと再現しました。

制作の動機について、 「小さい頃からメダルゲームやボールコースターが好きで、いつか自分で作りたいと考えていました」と話すSANさん。

制作期間は約2年。ホームセンターで購入したパーツを3Dデータ化し、それに合わせて3Dプリンターで部品を設計するという、途方もない作業を一人で進めてきたそうです。市販品と自作品の噛み合わせ精度を高める工程には、特に時間をかけたと言います。

この長い制作過程の中で、新しい機構ができるたびに最初のプレイヤーとして試してもらっていたのが、93歳の祖母なのだそう。時にはボールのセッティングや動作確認も手伝ってもらったといいます。SANさんにとって、祖母は一番の理解者であり、開発のパートナーでもありました。

こだわりのポイントは、落ちたメダルを手元に払い出す機構。

「頻繁に詰まるので、微調整を何度も繰り返しました」

動作のスムーズさを追求し、試作と改善を繰り返す中で、設計精度や耐久性も大きく向上しました。

完成した作品を初めて目にした祖母は、「外が暑いけど、お家でゲームが遊べて嬉しい」と言っていたのだとか。その言葉に、「涼しくなったらまた一緒にゲームセンターへ行こう」という気持ちが芽生えたといいます 。

完成後も改良は続き、新しい機構ができるたびに祖母に試してもらっているそうです。

「報告も兼ねて、毎回祖母に遊んでもらっています」