父娘の大道芸コンビ「吉田さんちの大道芸」/投稿主提供
父娘の大道芸コンビ「吉田さんちの大道芸」/投稿主提供

娘の成長とともに家族で取り組む大道芸の様子がInstagramに投稿され、1.6万件を超える「いいね」を集め注目を浴びています。2019年には滑り台で遊んでいた幼い女の子が、今では大玉に乗りながら縄跳びをするなど、舞台で堂々と高度な演技を披露するまでに。変化を遂げた姿に、多くの反響が寄せられています。

動画を投稿したのは、「吉田さんちの大道芸」(@yoshida.daidogei)として活動する父・魁(さきがけ)さんと三女・ゆうちゃんの親子コンビです。父の魁さんに話を聞きました。

「吉田家は父である私と妻、長女(20歳)、次女(18歳)、三女(7歳)の5人家族です。現在は私と三女がパフォーマンスを行い、妻は現場監督のような立場で支えてくれています」

魁さんは、ジャグリングやバランス芸を得意とする大道芸パフォーマーで、芸歴は26年目を迎えました。普段は企業イベントや地域のお祭りなどに出演しているといいます。

以前は長女と次女もかつては「大道芸人ももちゃん」「大道芸人ななちゃん」として活動していましたが、今年1月に学業専念のため引退。約14年、10年と長きにわたって舞台に立ち続けた姉たちの存在は、三女・ゆうちゃんの成長にも大きな影響を与えたそうです。

「親子で大道芸を始めたきっかけは、長女が3歳のころ。私が自宅でボールジャグリングの練習をしていたら、娘がボールを投げて遊び始めたんです。それが自然と一緒に練習するきっかけになり、5歳で人前に立つようになりました」

その後、次女も「私もお姉ちゃんみたいになりたい」と7歳で大道芸を志し、8歳でステージデビュー。三女も自然と2歳で練習を始め、3歳で観客の前に立ったといいます。家族の暮らしそのものが大道芸とともにあった、と魁さんは語ります。

「2歳で玉の上に乗る練習を始めました。遊びの延長のような感覚で始め、怖がることもなく自分から挑戦していました。私も常にそばにいて支え、安全を守りながら練習を積み重ねました」

投稿された動画では、ゆうちゃんが玉の上でバランスを取りながら縄跳びに挑戦する様子が映っており、そこには日々の練習の積み重ねが垣間見えます。

また動画には、ゆうちゃんと親しい様子で映っているもう一人の少女も登場しています。少女は魁さんのパフォーマー仲間の娘で、「軟体パフォーマー はんな」として活動しています。吉田家と同じく、親子で大道芸を続けている一家です。

「はんなちゃんは幼稚園の年長から練習を始め、8歳でステージデビュー。逆立ちしたまま足で弓を射る技や、棒をくわえた口だけで後屈した身体を支える『マリネリベンド(別名:ズゥブニク)』などの大技を9歳で習得しており、現在はメディアにも多く取り上げられています」

ゆうちゃんとはんなちゃんは共演する機会も多く、ゆうちゃんは彼女のことをとても慕っているといいます。

■何度失敗しても最後まで挑戦し続ける

「練習は短時間集中型で、やる気が出ないときは無理にやらせません。小さな達成感を積み重ねることを大切にしています」

家族でパフォーマンスを行う際には、「何度失敗しても最後まで挑戦し続けること」をルールにしているという魁さん。イベント先では遊びや観光も大切にし、日々の思い出作りも欠かさないよう心がけているそうです。

「一番やっていてよかったと感じるのは、お客さんからの言葉をいただいたときです。娘はパフォーマンス後にお友達が増えることをとても喜んでいます」

そんな、ゆうちゃんの夢は「お友達を1000人作ること」。目標達成にはまだ時間がかかりそうですが、着実に歩みを進めている最中です。

「まだパフォーマンスをしていない県も多いので、47都道府県制覇が目標です。いつかは海外でも挑戦し、親子大道芸の魅力をもっと多くの人に知ってもらえたらと思います」