物価高の中、安価で利用しやすい高速バスが移動手段として注目を集めています。株式会社オープンドア(東京都港区)が運営する旅行比較サイト『トラベルコ』が実施した「高速バス利用者の動向」に関する調査によると、直近1年間の高速バス利用者の約4割がZ世代であることがわかりました。では、高速バスを利用した際の旅行計画時の悩みにはどのようなことがあるのでしょうか。
調査は、直近1年以内に国内旅行を行い、その際に高速バス・夜行バスを利用した全国の18~59歳の男女990人を対象として、2025年6月にインターネットで実施されました。
まず、「直近1年間の高速バス利用者層」を性年代別に調査した結果、Z世代(18~29歳)が39.7%で最も高くなりました。なかでも、Z世代女性の割合は23.2%と特に高く、Z世代にとって高速バスが人気の移動手段であることが明らかとなりました。
また、年間利用頻度で見ると、「年間5回以上」(11.5%)利用するヘビーユーザーは全体の1割程度だったものの、「年間総利用回数(利用者の乗車回数を全て合算)」で見ると、年間5回以上利用する利用者が全体の37.7%を占め、さらに年間3回以上利用する利用者は全体の半数以上を占める結果となりました。
高速バスを最も多く利用する18~29歳(Z世代)に着目し、「乗車回数ごとの旅行の主目的」を分析したところ、年1回のみ利用する利用者では「観光」(49.2%)が最も多い一方で、年5回以上利用する利用者では「推し活」(54.3%)が主な目的であることが明らかとなりました。
Z世代(18~29歳)の高速バスの利用理由を上位利用目的別(観光/推し活/遊園地・テーマパーク)で分析したところ、いずれの利用目的においても「なるべく安い価格で移動したかったから」が最も多く、特に推し活を目的とした利用者がこの理由を選択した割合がトップ(76.7%)となりました。
さらに、推し活利用者では「旅先で自由に使えるお金を増やしたかったから」(36.3%)や「宿泊費を浮かせることができるから」(25.8%)などの理由も上位に挙がり、推し活を目的としたZ世代は、移動費や宿泊費をできるだけ抑え、推しのイベントやグッズ購入にお金を使いたいという意向がうかがえます。
一方、「高速バスを利用した際の旅行計画時の悩み」としては、「どのタイミングで買えばお得になるのか不明」(25.4%)や「本当にお得に予約できるか(できたか)不安」(22.8%)といった項目が上位に挙げられたことから、移動費を下げたいという意向はあるものの、お得に予約できたのか、実際にお得だったのかという不安が多いことが見て取れる結果となりました。