場面緘黙症や自閉症スペクトラムなどの生きづらさを抱えながらも、大好きな絵を描いて画家として活動する17歳の少女について投稿されたThreadsが話題となっています。「17才の娘が描く優しい世界を広めたい」という言葉と共に投稿されたのは、柔らかなタッチで描かれた朝日を眺める羊の絵。母のサポートを受けながら絵を描き続ける少女のエピソードに、「世界観にとても引き込まれます!」「この繊細さは娘さんだからこそ描ける絵なんだろうなぁ…」などのコメントが寄せられました。
投稿主は、単位制の高校に通いながら画家として活動するapipoさん(@apipo1113)のアカウントを管理する、お母さんです。
幼少期から、おもちゃで遊ぶより絵を描くことが好きだったという娘さん。その才能は早くから開花し、驚くべきことに7歳の時に描いたキャラクターが「吉川市市民活動サポートセンター(埼玉県)」の公式イメージキャラクターに採用された経験もあるのだとか。
その後、10歳の時に不登校になり、家で絵を描いて過ごす時間が多くなったという娘さん。そんな彼女に転機が訪れたのは12歳の時でした。ギャラリーカフェのオーナーが、娘さんが描いた絵を大変気に入り、個展を開催することになったのです。この出来事が、彼女の創作意欲にさらに火をつけました。
描かれるキャラクターは、娘さんの想像の世界に住むいきものたち。お母さんによると、娘さんの作品のインスピレーションは美しい自然や風景から得ることが多いといいます。
「絵を描くことは娘にとっての幸せで、生きがいです」と、お母さんは語ります。他者とのコミュニケーションが難しい娘さんにとって、作品は自分を表現する大切な手段であり、展示活動は社会と繋がる貴重な時間になっているのだそう。
また、作品が多くの人に親しまれることで、娘さんは自信と未来への希望を持てるようになったといいます。現在では展覧会やグッズ販売、企業とのコラボなど、高校生ながらアーティストとして目覚ましい活躍を見せるほどに。
その活動の裏には、お母さんの献身的なサポートがありました。
「コミュニケーションが難しい娘に代わって、来場者に一つひとつの作品について説明したり、多くの方の目に触れるようSNSで発信したりしてきました。これからも娘の活動、作品を多くの方に届けていきたいです」
お母さんは、最後にこうメッセージを送ります。
「周囲のみなさまに支えていただき、ここまで活動を続けて来ることができました。心から感謝しております。生きづらさを抱えながら何かに向かって頑張っている方も、そしてそのご家族の方も、それぞれの『好き』な気持ちを大切に楽しんでいただきたいです 」