「いい男は、だいたい既婚者」
そんな言葉に、思わずうなずいてしまう人も少なくないかもしれません。
仕事にも慣れ、話し方や立ち居振る舞いには余裕がある。誰かと人生を共にする責任を背負っているからこそ、どこか安心感がある。さらに、他の人と結婚しているという事実が、人柄や経済力の一種の「証明」のように映る。特に30代に差しかかると「独身のいい男性は、もう婚活市場にいない」と感じてしまう瞬間があるかもしれません。
Oggi編集部が20~39歳の日本全国の女性を対象に行った「既婚者に片思いをした経験はある?」のアンケートでは、14.4%が「ある」、85.6%が「ない」と回答しました。
既婚者に片思いをしたことがある人は、全体の1割強と少数派の結果となっています。大抵の人は「片思いをしても諦める」ことを選ぶようですが、中には行動に移してしまう人も…。
そんな「既婚者との恋」にハマってしまった経験がある、都内在住の会社員・A美さん(32歳)に、お話を伺うことができました。
■相手がいる人を好きに「なってしまう」
「好きになった人が、既婚者だっただけなんです」
びっくりするような話ですが、A美さんは少し照れたように語り出しました。
「独身の男性って、どこか余裕がないというか、恋愛にがっついてる人が多くて…。でも既婚者の男性は落ち着いていて、話をきちんと聞いてくれる。そういう包容力に惹かれてしまったんです」
A美さんが現在交際している相手は、妻子がいる40代の男性。趣味のテニススクールで知り合ったとのこと。最初はあくまで「尊敬する人」として惹かれていたそうですが、次第に気持ちは抑えきれなくなったといいます。
「本気で好きになったら、理性なんて働かないんですよね。相手に家庭があるのはわかってても『この人しかいない』と思ってしまう。悪いことだって自覚はあります。でも、それ以上に心が動いてしまってました」
■夫婦関係がうまくいってない…でも離婚は「待ってて」
男性からは「妻とは仮面夫婦だ」と言われ、関係を持って3年が過ぎました。
「最初は『すぐに離婚する』って言ってたけど、いつのまにか『今はタイミングが…もう少し待ってて』が口ぐせになって…。でも私も32歳なので、そろそろケジメをつけたい。彼も『君のことは本気』って言ってくれてるし、将来のことを考えて動いてくれるって信じてたんですよね」
A美さんは彼の離婚を待ちながらも、心のどこかで不安に思う日々が続いていたようです。そして、ある日-、その不安は、現実のものとなってしまいます。
「急に、『やっぱり子どもが大きくなるまでは離婚できない』って言われたんです。しかも『君は、俺から解放された方が幸せになれると思う』と別れ話を切り出されて…」
A美さんは、その言葉に耳を疑ったといいます。これまで自分が信じていた「本気」は何だったのか。何年も待った末に差し出されたのは、きれいごとに包まれた「別れ」でした。
「『解放してあげる』って、こっちはそんなこと望んでないんですけど、と思いましたよ。でも、そのとき気づいたんです。私、3年も『離婚するする詐欺』に付き合ってたんだなって。ショックだったけど、ある意味で目が覚めました」
A美さんは「しばらく恋はしなくていいなと思ってます。これからは自分で自分を大切にしながら生活します」と話してくださいました。
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誰かを好きになる気持ちは止められない。けれど、恋愛には「想像力」も大切です。
人はつい幸せな将来を想像しがちですが、その一方で--「離婚する」といっても簡単なことではありませんし、結婚中の不貞行為が認められた場合、慰謝料請求の対象になることも。実際、内容証明が突然ポストに届いて青ざめた…なんて話、ドラマの中だけではありません。
「好きになってしまっただけ」と言うのは簡単です。しかし、自分の置かれた状況を冷静に判断し、時には立ち止まる勇気もまた必要なのかもしれません。
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【出典】Oggi.jp
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