青春ロックを歌うアイドルグループ・BLUEGOATSに所属する投稿主(ダイナマイト・マリンさん提供)
青春ロックを歌うアイドルグループ・BLUEGOATSに所属する投稿主(ダイナマイト・マリンさん提供)

「アイドルを辞めた子がコンカフェで働いたり、イベントを開いたりして“ファンに会いたい”といってるけど、正直お金を稼ぎたいだけ。あの頃輝いていたのは事務所が用意してくれたもののおかげで、アイドルじゃなくなっても輝けると思ったら大間違い」

そんな辛辣な内容を描いた四コマ漫画がXで大きな反響を呼んでいます。

投稿したのは、アイドルグループBLUEGOATSのメンバーであるダイナマイト・マリンさん(@marin_aoyagi)。

著書『100日後にアイドルになる工場勤務の女』などを手掛ける、漫画家アイドルとしても活動しています。

現役アイドルによる赤裸々な発言は、ファンだけでなく、元アイドルやコンカフェ関係者の間でも議論を巻き起こしているところ。今回、その投稿に込めた想いや背景について、本人に話を聞きました。

ーーこの投稿しようと思った一番のきっかけは?

ダイナマイト・マリン:売れてるアイドルグループを辞めてコンカフェイベントを開いてる子をSNSで見かけて、悲しい気持ちになったからです。私自身、コンカフェよりアイドルが優れていると思ったことはありません。ただ、アイドルを辞めてもグループという看板だけは残り続けるので、それを利用してお金を稼いでいるように見えたんです。

ーーコンカフェに転身する元アイドルはよく見かけますが、それに違和感を感じたんですね。

その子に対するコメントも「アイドルからコンカフェ嬢に成り下がってる」など悲しいコメントが多くて、結果的にアイドルの存在価値を下げてしまっているのがどうしても許せなかったんです。

ーー元アイドルの活動を見ていて、最初に違和感を持った点はどこですか?

ダイナマイト・マリン:所属していたグループやメンバーに義理がないように見えたところです。もちろん、その子自身の力もあると思いますが、大人の方がキラキラした衣装やステージを用意してくれて、ファンの皆さんが「かわいい」と言ってくれて、整えられた環境の中にいるからこそ輝けていた部分も大きいはずなんです。

その環境があることを忘れてしまって、「自分の力だけで輝いていた」と勘違いしてしまう子がいるのかなと思います。

ーーこの投稿は、ファンや元アイドルからどう受け取られると思ってましたか?届いた声の中で一番印象に残ったものは何ですか?

ダイナマイト・マリン:私が描く漫画はどれも自分で納得してから出しているので、批判の声が来ると毎回びっくりします。「コンカフェ嬢をバカにするな」というコメントは、そんなつもりがなかったのでショックでした。

ーーステージ・衣装・事務所など環境の力はどれくらい大きいと感じてますか?

ダイナマイト・マリン:私は自分のやりたいようにやらせてもらっていますが、それを許してくれているのも事務所で、実際は事務所の力がなかったら輝けないと思います。

ーー最後に、今回の投稿を通してマリンさんが一番伝えたかったことは?

ダイナマイト・マリン:アイドルとして恥ずかしいことはしたくない、ということです。私にとってアイドルは、かっこよくて、誰かの憧れであってほしいなと思います。

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今回の投稿を受けて、アイドルファンからは「ステージにいなくても、オタクの目には輝いて見えるものなんだよ」「アイドルを辞めた後も、プライベートを削って会える場を作ってくれる推しって最高じゃん」「コンカフェでまた会える機会を作ってくれてありがとうでしかない」といった、元アイドルに寄り添う声が多く寄せられました。

一方、コンカフェで働く元アイドルからは、「コンカフェを始めたら、アイドル時代のファンが離れていくのは当然。全く違うフィールドで戦うつもりでいた方がいい」という冷静な意見も見られました。

華やかに見えるアイドルの世界は、実は環境によって輝きが支えられている場所でもあるー元アイドルも、現役アイドルも、そしてファンも、それぞれが立場を越えて考えさせられる投稿でした。

ダイナマイト・マリンさんが所属するBLUEGOATSは、1月28日に恵比寿LIQUIDROOMでワンマンライブを開催予定。詳細はSNSをご覧ください。

(まいどなニュース特約・青島 ほなみ)