正社員の約7割が「キャリア危機」を懸念 ※画像はイメージです(K+K/stock.adobe.com)
正社員の約7割が「キャリア危機」を懸念 ※画像はイメージです(K+K/stock.adobe.com)

株式会社マイナビ(東京都千代田区)が運営する総合転職情報サイト『マイナビ転職』は、このほど「キャリア危機に対する意識調査」の結果を発表しました。同調査によると、正社員の約7割が、今の仕事を続けることができなくなる「キャリア危機が起こりうる」と考えていることがわかりました。キャリア危機が起こりうる要因にはどのようなことが挙げられたのでしょうか。

調査は、全国の20代~50代の正社員男女800人を対象として、2025年8月にインターネットで実施されました。

調査の結果、なんらかの事情で今の仕事を続けることができなくなる「キャリア危機」が起こりうると感じている人は66. 8%を占めました。

年代別では、40代(76.5%)が最も高く、次いで50代(67.5%)、30代(66.0%)、20代(57.0%)が続き、自身をとりまく環境や健康問題、老後を見据えた備えなどさまざまな問題が見えてくる30代以降で不安を抱き始める人が多くなりました。

また、「キャリア危機が起こりうると考える要因」としては、「給料が低い・上がらない・今後下がりそう」(26.8%)、「怪我や病気・精神的不調を含む健康問題」(26.6%)、「精神的・肉体的・勤務状況いずれかの点で仕事がハード」(19.4%)が上位となっています。

キャリア危機が起こりうる要因に「給与の低さ」をあげた人に「現在の年収」を尋ねたところ、中央値は「400万円」となりました。

一方、「将来不安なく生活できそうな年収」では中央値が「700万円」となり、現実と300万円のギャップがあることから、このギャップが、今の仕事を続けていくことへの不安となっている可能性がうかがえました。

また、キャリア危機が起こりうると考える要因に「AI失業・スキルが通用しなくなる」(13.6%)や「勤務先の倒産・経営悪化」(11.1%)も一定数みられ、定年まで「今の会社がある」(48.3%)、「今の仕事がある」「スキルが通用する」(いずれも41.5%)と考えている人は全体の半数を切っていることから、技術進化やニーズの変化が激しい世の中で、取り残されずに仕事を続けること、会社が存続し続けることは”当たり前ではない”という危機感が広く浸透している様子が見て取れます。

最後に、さまざまなキャリア危機意識を持つなかで、「安定して仕事を続けていくために必要なもの」を聞いたところ、「十分な給与所得」「昇給」などの経済的安定、「スキルの習得」「AI的思考」などの自己成長、「ワーク・ライフ・バランス」「人間関係」などの心身の健康に関する意見が多く見られたほか、「上司と同僚の理解」や「リモートワークの継続」など職場へ期待する声も目立ちました。