亡き父が残したコロッケのレシピがSNS上で大きな注目を集めている。
「8年前、87歳で死んだ父の部屋を片付けていたら、大事そうなメモが出てきたので『もしや遺言の下書きとか!!』って思って読んだら、『おいしいコロッケの作り方』だった。」と件のレシピを紹介したのは内藤昶(ないとう・あき)さん。
「いもは『男爵』
皮のままゆでる。(むいたり切ったりすると水分が入るため)
熱いうちに皮をむき裏ごしする。
バターを少量入れ、加熱し水分をとばす」
といった具合に丁寧にコロッケの作り方が書かれたこのレシピ。内藤さんはどのような思いでこのレシピを読んだのだろうか。
ーーお父様はどんな方でしたか?
内藤:父はなんでもできてしまう器用な人で物知りでした。私はいい歳になるまで、どこの家でもなにか壊れたらお父さんが直してくれるし、分からないことはお父さんに尋ねたらわかるものだと思っていました。
料理に関しては、実はコロッケより餃子が得意でした。父は大連育ちの引揚者で、実家には中国人のコックがいたのです。父は冬の日曜日には白菜を買い込んで200個以上の餃子を作り、焼いてくれていました。その時はご飯も食べす、餃子だけをお腹がはち切れるほど食べていたものです。父の死後は私が作っていますが同じ味にならず、あのコロッケのようにレシピを書いておいてくれたら良かったのに!と思っています。
ーーこのレシピをご覧になった感想をあらためて。
内藤:これを見つけたのは何年か前なのですが、父の字と、父らしい細かい注意書きが面白くて捨て難く、私のレシピノートに貼っていました。捨てなくてよかったです。
レシピの再現もこれまでに近いところまではやってるのですが、「ラードで揚げる」が実現できていないので、この際全て書いてあるとおりに作ってみようかと思います。
ーー投稿に大きな反響がありました。
内藤:私としては内容よりも父らしさが懐かしくて、何の気なしに投稿したらバズったので驚きました。 書き出しの「いもは男爵」が「春はあけぼの」みたいでツボった人が多かったのも面白かったです。
◇ ◇
SNSユーザー達から
「いもは『男爵』…の書き出しが 心を惹きつけます 有名なナレーターさんに読んで欲しい」
「自筆の大事な遺言書ですよ」
「ラードで揚げる→大正解、美味しくなるやつ」
など数々の感激の声が寄せられた今回の投稿。ご興味ある方はぜひレシピをお試しいただきたい。
なお今回の話題を提供してくれた内藤さんはヘヴィメタルファン。日頃、Threadsでヘヴィメタルの話題を中心に呟いているので、同好の方は要チェックだ。
(まいどなニュース特約・中将 タカノリ)
























