1月に死去した元兵庫県議の竹内英明氏に関するデマを発信したとして、名誉毀損(きそん)罪で起訴された政治団体「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志被告(58)について、県警は、6月の尼崎市議選で応援演説に抗議活動をした男性を取り押さえ、負傷させたとする逮捕致傷の疑いで、11月28日付で神戸地検に書類送検した。男性の代理人弁護士が明らかにした。
男性側は、立花被告が6月14日、尼崎市の阪急電鉄塚口駅前で市議選の応援演説をした際、自身を批判していた男性を党関係者らに指示して取り押さえさせ、首にけがを負わせたと主張。立花被告ら3人を逮捕致傷容疑で告訴し、9月に県警が受理した。
県警は立花被告の指示で動いた党関係者の男ら2人も同容疑で書類送検した。認否は明らかになっていない。
尼崎市議選には、NHK党の新人が立候補。投開票前日の同14日に立花被告が塚口駅前で行った応援演説では、抗議活動の人たちが「帰れ」などと叫び、激しい批判を展開していた。
立花被告は選挙カーの上からマイクで「公職選挙法の選挙妨害」と告げ、党関係者に「私人逮捕してください」と男性を取り押さえるよう指示。「警察の方に引き渡してください。現行犯逮捕です」と述べた。
刑事訴訟法は、現行犯であれば誰でも逮捕状なく逮捕できると規定。一般人による現行犯逮捕は「常人逮捕」「私人逮捕」と呼ばれ、電車内の痴漢を目撃した乗客が犯人を取り押さえる例などが該当する。
立花被告は当日夜に撮影したユーチューブ動画で、選挙運動に対する口頭での妨害は公選法違反に当たらない、と警察が考えていると主張。「事前に(警察へ)確認はしていた。現行犯逮捕すれば捜査に入ってくれると思った。法律を変えるしかない」などと説明していた。
























