夫婦間の「モラハラ」の線引きは… ※画像はイメージです(naka/stock.adobe.com)
夫婦間の「モラハラ」の線引きは… ※画像はイメージです(naka/stock.adobe.com)

既婚者向けマッチングサイト『ヒールメイト(Healmate)』を運営するレゾンデートル株式会社(東京都新宿区)は、このほど「夫婦間のモラルハラスメント」に関する調査結果を発表しました。それによると、「物を壊して脅す」といった攻撃的な行為は、8割前後がモラハラと認識している一方、生活や家庭運営に直結する行為などでは性別・年代・収入といった属性によって“線引き”が異なることが明らかになりました。

調査は、全国の20~59歳の男女9378人(10歳刻みで男女各1250人。ただし男性20代のみ628人)を対象として、2025年9⽉にインターネットで実施されました。

まず、「モラハラだと思う行為」を尋ねたところ、全体では「物を壊して脅す」(81%)、「大声で怒鳴る/威嚇する」「侮辱する/人格を否定する」(いずれも79%)が上位となった一方で、「無視する/会話を拒否する」(66%)はやや低くなりました。

これを男女別に見ると、女性はすべての項目で男性よりも高い割合で「モラハラだと思う」と回答しており、なかでも「生活費を制限する」は男性の61%に対して女性は80%、「小さなミスや行動を責める」は男性の62%に対して女性では78%と、20ポイント近い差が見られました。

一方で、男性は全体的に女性より低い水準ではあるものの、「物を壊して脅す」「侮辱する/人格を否定する」「大声で怒鳴る/威嚇する」など攻撃性の強い行為は7割を超えてモラハラと認識しており、男女で一致する部分も見られました。

この結果から、強い攻撃性のある行為は男女ともにモラハラとみなす一方、日常的に起こりうる家事・経済・生活習慣に関する行為は、女性の方がより厳しく線引きしている とが明らかになりました。

年代別では、「スマホやSNSをチェックする」をモラハラと認識する割合が、20代では63% にとどまったのに対して、30代で70%、40代で74%、50代で77%と、年代が上がるごとに上昇する傾向が見られました。

また、「生活費を制限する」「外出や交友を制限する」といった経済的・社会的自由に関わる行為も、20代では6割台にとどまるのに対し、50代では75~78%まで上昇。年齢が高い層ほど“生活の自由を奪う行為”を深刻にとらえる傾向が見られました。

さらに、世帯年収別に比較すると、低所得層(~399万円)では、「無視する/会話を拒否する」は63%、「生活費を制限する」「家事や育児を一方的に押し付ける」はいずれも70%前後にとどまったのに対して、800~1199万円の層では「スマホやSNSをチェックする」が75%に達したものの、1200万円以上の層では70%に低下しました。

同社は、「一定以上の収入を得ることで経済的な余裕が増し、多少の干渉を受けても深刻なモラハラとは感じにくくなる可能性が考えられるのではないか」と推察しています。