道路の真ん中でうずくまっていたぽわげちゃん(画像提供:ツナさん)
道路の真ん中でうずくまっていたぽわげちゃん(画像提供:ツナさん)

今夏、茶トラの男の子「ぽわげ」ちゃんは、道の真ん中で動けずにいました。痩せ細り、ケガを負い、すでに体は限界寸前。そんな危機的な状況の中、Xユーザー・ツナさん(@motikiro2)の家族はその異変を見逃しませんでした。

■もう動けない… 道路に痩せ細った子猫

2025年6月の朝、飼い主さんの家族がゴミ出しに向かったとき、道路上に違和感を覚えてよく見ると、ボロボロの子猫が横たわっていました。

「あわてて駆けつけると、子猫はもう動くこともできないほど衰弱していて、ただうずくまっていました。胸が痛むほど痩せ細っていて足にはケガ、皮膚はノミのフンで真っ黒…すぐに命を落としてもおかしくない、それほどひどい状態でした」

迷っている時間は無いと察した飼い主さんは、あわてて家に戻り、段ボール箱を抱えて子猫のもとへー。

「子猫をそっと抱き上げて段ボール箱の中に入れました。それが、ぽわげです」

ただただ放っておくことはできない…、そう思ったと飼い主さんは当時の投稿に綴っています。ぽわげちゃんの命を救うために、奮闘する日々が始まりました。

■生きて! 必死の看病に応えた小さな命

飼い主さんの家には、2匹の先住猫が暮らしていました。

「ぽわげにはノミダニがいたので、先住猫たちに感染しないように隔離する必要がありました。ひとまず、台所にスペースを作って、そこでお世話をはじめました」

その日の午後、ぽわげちゃんを連れて動物病院へ。生後3カ月ほどであることがわかりました。

「体重わずか500グラムほどしかなくとても痩せていましたが、猫エイズや白血病にはかかっていないことがわかりホッとしたのを覚えています。ノミ取りと点滴をしてもらい、目薬、飲み薬を処方してもらいました」

懸命なケアの甲斐あって、ぽわげちゃんは少しずつ元気を取り戻していきました。そして、よく食べよく遊ぶように。

保護後、2カ月が経つころには、飼い主さん家族への反応も変わってきたといいます。

「少しずつ、私たちに甘えてくるようになりました。まだ、家で暮らし始めて間もないので、私たちが不在にするときは4畳半の部屋で隔離して過ごしてもらっています」

ぽわげちゃんは、ふっくらとして毛ヅヤもよく、瞳には輝きが宿り、本来の姿を取り戻したのです。

■飼い主さん大好き! のどゴロゴロ鳴らすぽわげちゃん

ぽわげちゃんは現在、生後推定5カ月を迎えました。三毛猫の「ちまき」ちゃん、茶トラの「どんくさ」ちゃん、サビ猫の「たなぼた」ちゃんとともに、にぎやかな日々を送っています。

「ぽわげは、とても甘えん坊です。私たちが部屋に入ると、のどをゴロゴロと鳴らしながらそばに来て歓迎してくれます。ただ、猫たちに対しては一転、やんちゃに。先住猫に怒られたり、教育的指導を受けたりしています」

飼い主さんには、今、ぽわげちゃんにお願いしたことがあるのだそう。

「何でもかんでも噛まないでね…と伝えたいです」

あの今にも消えてしまいそうなほど弱々しかったぽわげちゃんは、もういません。飼い主さん家族や猫たちに囲まれながら、より一層、大きく、たくましく成長していくことでしょう。

(まいどなニュース特約・梨木 香奈)