兵庫県西部の播磨灘で養殖カキが大量死した問題で、時期が未定となっていた一般向けの販売が各地の観光施設や直売所で始まっている。例年は11月ごろから冬にかけて水揚げが本格化するが、今季は7~8割がへい死。それでも生き残ったカキを業者が丹精し、小ぶりながらも商品化にこぎ着けた。関係者は「少しでも産地を支えたい。うま味は十分」とPRする。
道の駅「あいおい白龍(ペーロン)城」(兵庫県相生市那波南本町)では、相生漁業協同組合の2業者からむき身を仕入れ、1月24日から売り出した。値段は1袋(300グラム)1500円と、グラム単価では例年より約6割高い。2月1日に販売を始めた殻付きは1キロ1100円と、こちらも例年の1割増しだ。
直売所では、観光客らがさっそく列をつくって買い求めた。奈良県から来た会社役員の男性(67)は「(播磨灘のカキは)身のしまりが良く、縮みにくいと聞いて買いに来た。友人らと焼いて食べるのが楽しみ」と笑みを浮かべた。
同道の駅の利根克典支配人は「身の大きさは例年の水揚げ開始時期と同じくらいだが、厳しい状況にある漁師を応援するため価格を上げた。相生のカキを守りたい」と理解を求める。
カキの大量死は瀬戸内海の広域で発生し、兵庫や広島のほか、岡山、香川、愛媛などの各県で確認された。中・西播磨の産地では、関連イベントが中止になったり、飲食店がカキ料理の提供を取りやめたりするなど影響が広がった。海水の温度や塩分濃度の高さ、えさ不足などが原因とみられ、水産庁は研究機関などと連携して調査を進めている。(佐藤健介)























