「娘の究極の愛を受け止めるパパ」
そんな一言とともに投稿された動画が、多くの人の笑いと癒やしを集めている。
映っているのは、寝ているパパさんの“顔の上”。そこにどっしりと後ろ足を乗せて、毛布をしゃぶりながらフミフミを続ける三毛猫・小雪ちゃん(12歳)の姿だ。
苦しそう……なのに、パパさんは一切動かない。この“静かな耐久戦”に、「深い」「愛が海より深い」「どうしてこうなった(笑)」といった声が相次いだ。
■「顔の上で!?︎」…驚きよりも先に来た“至福”
撮影されたのは、就寝前のひととき。実は小雪ちゃんにとって“フミフミ”は毎晩のルーティンだという。
「正直、最初は“顔の上で!?”って驚きました。でも…至福でしたね(笑)。素直に嬉しかったです」
この日は部屋が冷え込んでおり、パパさんはフリースで頭まわりを囲って寒さ対策をしていた。それを見つけた小雪ちゃんが、「ここ、噛み心地いい」とでも言うように、フミフミを開始。結果、“究極の場所”が選ばれた。
ちなみに、顔の上でのフミフミは今回が初めてではなく、「たぶん3回目くらい」だという。
■それでも動かない理由「命を預かっているから」
動画で印象的なのは、パパさんが一切抵抗しないことだ。苦しくなかったのかと聞くと、こんな答えが返ってきた。
「小雪は、私が何から何まで世話をしないと生きていけない存在です。私はその命を預かっている。だから世話をする義務があると思っています」
「愛は耐えること」という言葉は、少し大げさな“コピー”かもしれない。それでも、その根底にあるのは責任と覚悟だ。
■「トコトコ歩いてきて、最初に指を舐めた子」
小雪ちゃんは、動物愛護センターから迎えた保護猫。たくさんの子猫がいる中で、パパさんのもとへ真っ先に歩いてきたのが小雪ちゃんだった。
「私の指を最初に舐めてくれたんです。それがご縁でした」
この出会いを、パパさんは「奇跡」だと語る。
「この世に生まれて、縁あって一緒に暮らしている。それ自体が奇跡だと思っています」
■ “便利なオヤジ”でも、それでいい
「私にとって小雪は本当の娘のような存在です」
そう語りつつも、「ご飯をくれて、散歩に連れて行ってくれる“便利なオヤジ”と思われてるかも(笑)」と冗談を交える。それでも、12年間一緒に暮らしてきた中で感じる確かな実感があるという。
「小雪は、家族の中で私を一番慕ってくれていると感じています」
■笑ってもらえたら、それでいい
この動画を通して「何かを伝えたい」という気持ちはない、とパパさんは言う。
「観て、笑ってもらえたら嬉しい。それだけです」
けれど結果として、この動画は多くの人に「愛情とは何か」「一緒に生きる責任とは何か」を、押しつけがましくなく伝えている。顔の上でフミフミされても動かない…それは“耐える愛”であり、“預かった命への誠実さ”でもあった。
今日も小雪ちゃんは、安心しきった顔でフミフミをする。その下には、すべてを受け止めるパパがいる。
(まいどなニュース特約・渡辺 晴子)
























