ガムを使用した口腔(こうくう)健康プログラムを実施することにより、年間約1・2兆円もの介護費が抑制できる可能性があることが、大手菓子メーカーのロッテなどによる研究&調査で分かった。
このほど愛知県豊田市において、市民を対象に1日3回のガム咀嚼(そしゃく)と唇、口周り、舌の体操を組み合わせた口のトレーニングによる口腔健康プログラムを約3カ月にわたって実施。その効果を検証したところ、オーラルフレイル(口の衰え)の方の割合が16%から3%に減少し、健常の割合が37%から47%に増加。また身体的なフレイルも19%から12%に減少し、健常の割合が36%から44%に増加する改善が認められたという。
この結果を基に、全国の65歳以上の要支援・要介護ではない高齢者全員がこのプログラムに参加したと仮定して推計すると、年間で最大約1・2兆円の介護費を抑制できる可能性が示唆された。1人当たりにすると年間約4・2万円の削減が推計されるそうだ。
ロッテ中央研究所「噛むこと研究部」のチーフスペシャリスト・菅野範さんによると「今回の口腔健康プログラムには、お口の健康や栄養摂取、噛むことの大切さを、グループワークを交えながら楽しく学ぶ2回の講座も含まれていますが、実際、口の衰えがある人と、そうではない人を比べた調査研究でも、口の衰えがある人の方が、2~9年後の身体的フレイルリスクが2・4倍、要介護認定が2・4倍、認知機能低下が1・5倍高まることが報告されています」という。
このようなリスクの回避へ、必要なオーラルフレイルの改善には、歯磨きや義歯の手入れ、定期的に歯科医院を受診するなどの口のケアはもちろんのこと、日常生活では食事をよく噛んで食べること、口や舌を使うことを意識することが大事だと言う。
「加えて、豊田市民に行ってもらった口のトレーニングや、ガム咀嚼トレーニングだけでも噛む力や舌の力が改善する結果が出ており、オーラルフレイルのケアに役立ちます。要介護にならないということは、健康寿命の延伸やご家族の負担軽減にもつながります。是非ご自身の口の状態を気にかけていただき『硬いものが噛みにくくなった』『滑舌が悪くなった』といったことがあれば、口のトレーニングも生活に取り入れていただければと思います」と菅野氏は説いた。
なお、実際のトレーニング内容を詳しくチェックしたい方はhttps://www.lotte.co.jp/kamukoto/oral-frail/へ。























