宝塚歌劇月組のバウホール公演「亡国封史 雨にじむ渤海(パレ)」が21日、宝塚市栄町1の同ホールで開幕した。10世紀の渤海を舞台に、隣国に攻め込まれながら民のため最善の道を画策した王、テ・インソンの物語。礼華(れいか)はるが、迷いながらも成長していく主役インソンを熱演した。
平松結有の作・演出。動乱が続く東アジアで「海東の盛国」と呼ばれた渤海は、隣国・契丹に攻め込まれ、存亡の危機を迎えていた。常に命の危険にさらされる渤海の王、インソン(礼華)は心を閉ざし、周囲から恐れられる存在。ある日、何者かに谷底へ落とされたインソンは市井の民、セウォン(彩海=あやみ=せら)に助けられ、一命を取りとめる。身分を偽り、民の暮らしを経験する中で、セウォンの心の温かさに触れるうち、2人は心を通わせる。
だがインソン不在の王宮では権力争いが激化、契丹の王子、耶律突欲(やりつとつよく)がスパイとなって忍び込み、渤海は滅亡寸前に。そのことを知ったインソンは王としての決意を固める。
冷酷だったインソンがセウォンとの出会いをきっかけに人の心を取り戻す様を礼華は丁寧に演じる。不幸な生い立ちを背負いながら、信じる大切さを説くまっすぐなセウォンを演じた彩海にも好感が持てた。主役2人の舞台人としての成長が見て取れる。
憎らしくもりりしい契丹王子の瑠皇(るおう)りあ、インソンを思う妻、ウンビン王妃の乃々(のの)れいあの好演も光った。友情、夫婦愛、人間愛とさまざまな愛の形を表したオリジナル脚本を、殺陣師、清家一斗による刀剣シーンが盛り上げていた。
2月4日まで。チケットは完売。
(片岡達美)























