現代の日本では、「高齢者の3人に1人が認知症状を持つ」と言われています。だからこそ、お互いに協力しあうことが大切なのかもしれません。イラストレーター・エッセイ作家のなかざわともさんの作品『認知症の祖母と料理』では、作者と認知症の祖母とのやりとりが描かれています。同作はX(旧Twitter)に投稿されると、約1.2万いいねもの注目を集めました。
作者は、祖父(92歳)と認知症の祖母(88歳)の家にときどき訪れてはご飯を作ります。冷蔵庫の中をみてメニューを考えていると、祖母が寄ってきて色々と尋ねてきました。しかし祖母は作者が答えてもすぐに忘れてしまい、「これ何?」と何度も聞き返します。
段々と答えるのが面倒になった作者は「ばあばゆっくり座ってて」と言いますが、祖母はなかなか台所から離れず「何か足りないものはある?」と心配そうに見つめていました。そこで作者は「ならば手伝ってよ!」と言うと、祖母はうれしそうに反応します。
祖母は手際よく卵を溶きフライパンを揺らし、あっという間に料理を作り上げるのでした。作者は「そういえば料理上手なんだった…」と、昔よく祖母の手料理を食べていたことを思い出します。
「長年培ってきたものは祖母の身体に染み付いている」と知った作者は、「今度はもっと一緒に作れるものにしよう」と考えたのでした。
読者からは「きっとおばあちゃんもうれしかっただろうな」「認知症でもなにか役割があるって大事」などの声があがっています。そこで、作者のなかざわともさんに話を聞きました。
■今度は祖母から手料理を教わりたい
-祖父母とのやり取りを描こうと思ったきっかけを教えてください
祖父母の家に泊まった夜に何気なく祖母の昔話を聞いたことがきっかけです。祖母は認知症を患っており物忘れが激しくなっていましたが、若かりし時代の話を昨日のことのように生き生きと語り、その姿に驚きました。祖母の知らない一面を知り、「自分より長く生きる人の話」をもっと聞いてみたいと思うようになりました。
-その後、祖母と一緒に作った料理はありますか?
まだ作れてはいません。今回の漫画をSNSに載せ、祖母を知る人(家族や母の学生時代からの友人など)から「あの料理が美味しかった」と懐かしむ感想をもらいました。(唐揚げ、ババロア、ごぼうの揚げ焼きなど)今度教わりながら一緒に作ってみたいです。
-同作以外ではどのような作品を発表していますか?
現在、祖父母と関わりながら感じたことをコミックエッセイにしてSNSに毎週アップしています。ちらりと見ていただけるとうれしいです。
(海川 まこと/漫画収集家)























