消費税増税に対する兵庫県内企業トップらの考え
消費税増税に対する兵庫県内企業トップらの考え

 8日投開票の衆院選で、多くの政党が物価高対策として消費税減税を掲げている。代替財源の議論などが深まらない中、兵庫県内の企業経営者らは減税をどう考えているのか。6日まで京都市内で開かれた経済界の会合「関西財界セミナー」で意見を聞くと、減税に懐疑的な声の一方、「政治的な発言は控えたい」とする経営者も多かった。

 セミナーに参加した県内経営者ら10人に聞いた。うち5人は回答しなかった。

 「消費者にとって減税は助かるが、国の財政や不安定な国際情勢を考えたら一律に減らすのは無理だ」と話すのは、医療機器大手シスメックス(神戸市中央区)の家次恒会長。10%の消費税率は「国際的に見ても決して高くない」とした。

 国際比較には、神戸経済同友会の神原忠明代表幹事(さくらケーシーエス顧問)も同調し「数パーセント下げても効果は薄い。社会保険料の引き下げ議論が先ではないか」と述べた。

 物価高の要因の一つには長引く円安がある。輸入ナッツやドライフルーツなどを扱うサンナッツ食品(神戸市灘区)の種橋伯子専務は「値上げしても追いつかない厳しい状況」と打ち明ける。ただ、消費税の減税が物価高対策とされる点には「本筋と違うのでは」と疑問視する。「代替財源の根拠や今後の税収見通しはいずれも分からない。減税の必要はない」と話した。

 代替財源には、政府系ファンドをつくって資産の運用益を充てる案も出ている。ある企業幹部は「ファンドを運用しても常にもうかるわけではない。市場でお金を動かしたことのない人の発想だ」と切り捨てた。

 一方、「消費減税への賛否は一概に言えない」としたのは、みなと銀行(同市中央区)の持丸秀樹社長。「(減税に)ノーという政党が少なく、議論になっていない。将来の財源などしっかりとした議論が必要で、選挙前に突然出るテーマではない」と話した。

 「政治的なことは軽々に言えない」「その分野に詳しくない」と話す経営者もいた。(横田良平、大盛周平、谷口夏乃)