1番左の茶白の子がいなくなっていたという(「NPO法人愛Cat」さん提供、Instagramよりキャプチャ撮影)
1番左の茶白の子がいなくなっていたという(「NPO法人愛Cat」さん提供、Instagramよりキャプチャ撮影)

「もう会えないかもしれない」…そう思われていた1匹の子猫が、約1カ月後(5月18日)に再び姿を現しました。母猫が懸命に守り育てていた“奇跡の命”に、多くの人が涙しています。

投稿したのは、保護猫活動を行う「NPO法人愛Cat」(@aicat.5628)。Instagramに投稿された親子猫のエピソードには、「良かった」「お母さん猫すごい」「母は強しですね」といった感動の声が相次ぎました。

■現場にいたはずの5匹目がいない…

愛Catが親子猫の遺棄現場へ向かったのは約1カ月前のことでした。事前には「子猫が5匹いる」と聞いていたそうですが、現場で確認できたのは4匹だけ。母猫が1匹の子猫を別の場所へ移動させていたようで、その姿が見当たりませんでした。

現場の方々や協力団体とともに必死に捜索したものの、子猫は見つからなかったといいます。

NPO法人愛Catの代表・木村由佳梨さんは、当時をこう振り返ります。

「その子はまだ1匹で生きていけるような大きさではなかったため、『どうか無事でいてほしい』という思いで胸が張り裂けそうでした」

何とか母猫に見つけてもらいたいという願いから、確認できた4匹の子猫だけを先に保護し、母猫は現場に残す判断をしたそうです。また、現場の方には「母猫がこの場所から離れないよう、ご飯をあげ続けてほしい」とお願いしていたといいます。

■「もう会えないかも…」諦めかけた頃に届いた連絡

その後も現場には母猫だけが現れ、行方不明だった子猫の姿は見えない日が続きました。

「1カ月も姿が見えなかったため、正直もう会えないかもしれないと思っていました」

そんな中、現場の方から突然、「子猫が出てきた」と連絡が入ります。木村さんは「本当にうれしくて信じられない気持ちでした」と話します。ずっと心配していた子だっただけに、「無事に見つかったと聞いた時は心からホッとしました」と振り返りました。

保護された子猫には「ガーナ」という名前が付けられました。先に保護されていた4匹も「アポロ」「クランキー」「チロル」「プッカ」と、お菓子にちなんだ可愛らしい名前で呼ばれています。

■痩せていなかった子猫…感じた“母猫の愛”

現在、先に保護された4匹は、明石市の猫カフェ「Cafe calico」で元気に成長中。月齢は生後2カ月ほどだそうです。後から保護されたガーナちゃんも、少し怖がりながらも食欲旺盛で元気に過ごしているとのこと。

さらに木村さんは、保護時の子猫の様子から“あること”を実感したといいます。

「1匹を保護したとき、痩せてたわけでもなく…お母さん猫はちゃんと子育てしてくれていたんだなと感じました」

厳しい環境の中でも、母猫はたった1匹の子を守り続けていたのでした。

■「この子たちにも生きる権利がある」

保護活動では、つらい現実に直面することも少なくないといいます。それでも今回の出来事は、「これからも前向きに活動を続けていきたい」と思える大きな出来事になったそうです。

木村さんは、愛媛県内の現状についても語ります。

「愛媛県内には今も行き場のない猫や、厳しい環境の中で暮らしている猫がたくさんいます。今回のように無事に保護できる命ばかりではありません」

そして最後に、こう呼びかけました。

「この子たちにも生きる権利があります。人と猫が共に幸せに生きていける世の中になりますように…」

投稿には、「お母さん猫ちゃん本当に偉い」「生きていてくれてありがとう」「涙が出ました」といったコメントが多数寄せられています。

※5月21日、母猫も無事に保護されました。

(まいどなニュース特約・渡辺 晴子)