児童・生徒のために改善が必要な場所は小中高すべてで「トイレ」が1位 ※画像はイメージです(apoptosis/stock.adobe.com)
児童・生徒のために改善が必要な場所は小中高すべてで「トイレ」が1位 ※画像はイメージです(apoptosis/stock.adobe.com)

TOTOなどトイレ関連6社による研究活動組織の「学校のトイレ研究会」(東京都渋谷区)は「2025年度全国教職員アンケート調査」を実施しました。児童・生徒のために改善が必要な場所として、小中高すべての校種で「トイレ」が第1位に選ばれました。

耐震化や空調(エアコン)設備の設置が一段落しつつある教育現場において、次なる最重要課題となっている「学校の水まわり環境」のリアルな現状と、教職員たちの切実な声に迫ります。

調査は、2025年9月~12月に全国の公立小中学校2500校、2025年2月~5月に全国の公立・私立高校3449校を対象に郵送で実施され、回答数は公立小中学校194校、公立・私立高校401校でした。

まず、「児童・生徒のために改善が必要な場所」を尋ねたところ、「トイレ」が圧倒的1位となり、公立小中学校で55%、高校で58%にのぼりました。

また、小中学校では「廊下の手洗い場」(47%)も上位に挙がっており、日常的に使用する水まわり設備の老朽化や機能不足に対して、現場の教職員が強い危機感を抱いていることがわかりました。

実際にトイレのどのような点に困っているのか、現場の声を集約すると「便座が冷たい」(公立小中学校36%、高校44%)、「臭い・汚い」(同47%、39%)、「清掃しても汚れがとれない」(同38%、43%)となりました。

さらにこれらだけでなく、「お湯が使えない」(同34%、39%)や「洋式便器の数が足りない」(同36%、31%)といった、より現代的な設備水準へのアップデートを求める具体的な意見が多数寄せられています。

家庭や商業施設では当たり前となっている「洋式トイレ」ですが、学校現場での完全移行にはまだ時間がかかっているのが現状です。

公立小中学校においては、「すべて洋式」が25%、「洋式が多い」が41%を占め、洋式化が着実に進んでいる一方で、高校における「すべて洋式」の割合は公立高校で16%、私立高校で42%となっています。

「洋式が多い」を合わせた割合は公立高校で62%、私立高校で86%に達しており、生徒たちの健康で快適な学校生活のため、さらなる洋式化の推進が望まれます。

また、冬場の冷たい便座を解消し、衛生面でもメリットの大きい「温水洗浄便座(シャワートイレなど)」の必要性については、小中高ともに約7割が設置を「必要」と回答しました。

しかし、実際の設置状況(すべてに設置されている割合)を見てみると、公立小中学校で20%、公立高校で10%、私立高校で40%でした。職員用トイレでは、公立小中学校で45%、公立高校で25%、私立高校で59%となり、教職員用トイレへの設置に比べ、児童・生徒用トイレへの設置は全体的に遅れており、特に公立高校ではわずか1割にとどまります。

困りごとの上位に「便座が冷たい」が挙がっていることからも、温水洗浄便座の整備は急務と言えそうです。

学校のトイレは、子どもたちが一日の大半を過ごす学習環境の一部であるだけでなく、災害時の「地域の避難所」としての重要な役割も担っています。また、そこで働く教職員の職場環境改善という観点からも、決して無視できない場所です。

学校施設の老朽化対策が進むいま、子どもたちが安心して清潔・快適に使える「水まわり」の実現に向けて、自治体や学校側のさらなる予算確保とスピーディーな設備改修が期待されます。

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▽「学校のトイレ研究会」会員企業

・アイカ工業株式会社(トイレ用壁材)
・株式会社オカムラ(トイレブース材)
・株式会社木村徳太郎商店(トイレ清掃)
・TOTO株式会社(トイレ衛生設備)
・ミッケル化学株式会社(薬用手洗石けん液・清掃用洗剤)
・ロンシール工業株式会社(トイレ用床材)