3泊4日の全行程を軽自動車で走破 ※画像はイメージです(buritora@stock.adobe.com)
3泊4日の全行程を軽自動車で走破 ※画像はイメージです(buritora@stock.adobe.com)

新潟から中国・四国地方まで、72歳の父親が65歳の母親と軽自動車で走り抜けた3泊4日の旅。しかも、運転はほぼ父親1人。パーキングエリアでの休憩まで分単位で埋め尽くされた「旅程表」がXに投稿され、大きな注目を集めました。

「こんな旅程、大学生でも組まねえよ!!」という一文とともに投稿したのは、息子のおさとうさん(@osat0000)。旅程表に記された宿泊地は、1日目が徳島、2日目が広島、3日目が出雲。往復の全行程を、自家用車で走り切る計画でした。 

この旅程表をおさとうさんが受け取ったのは、出発の1、2週間前。孫の顔を見に自宅を訪ねてきた父親が、突然「この旅程でいこうと思うんだ」と差し出したそうです。同席していた母親は「旅程表は父さんが勝手に作っただけだから、本当に行くかは決まってない」。そのため、おさとうさんもあまり真面目には見ていなかったそうですが、行き先と移動手段を聞いた時点で心配な気持ちになったと振り返ります。

後日、おさとうさんの妻から「この旅程、ストイックすぎない??」と言われて改めて見直すと、予定はぎちぎち。おさとうさん自身も大学生の頃、友人と新潟から車で広島、香川へ行った経験がありますが、そのときは数人で運転を交代してもへとへとだったため、高齢の父親1人での運転は相当きついだろうと感じたそうです。

そこで「せめて関西あたりまで飛行機で行って、そこからレンタカーでもいいのでは?」と提案したものの、「車の方が安いから」という理由であえなく却下。結局、旅行中は母親に連絡して生存確認を取ることだけが、家族にできる唯一の対策になったといいます。

この投稿には、「スタンプラリーのような旅行ですね」「これに付き合えるお母さまもスゴイ」「元気で行動力があるって本当に素晴らしい」と、ご夫婦のパワフルな姿に感心するコメントが寄せられました。

また「呉の大和ミュージアム行ったことあるけど、40分は無理。1時間は余裕で超えます」「金毘羅山の滞在55分だと本殿まで行ってないのかな?」といったツッコミも。「無理な予定でも、作って楽しみ行って楽しみ、2回も楽しめたんだからきっと満足されてるよ」と、旅程表づくりを応援する声もありました。

■美術館は休館日、大和ミュージアムにも寄れず…

旅行から帰ってきた母親からのLINEには、「深夜0時20分位に家に着きました」との文字が。美術館が休館日だったり、行きたかった大和ミュージアム(広島県呉市)に寄れなかったりと、旅程表通りにはまったく観光できなかったそうですが、両親はそろって楽しそうに旅を振り返っていたとのこと。長年父親に連れまわされてきた母親も、最初から「どうせこの旅程表通りになんていかない」と見抜いていたようです。

■退職後も止まらない!72歳父親の行動力

父親は、退職後も地元の公民館長を務めたり、いつの間にか遺跡の発掘調査に参加していたりと、精力的に活動を続けているそうです。おさとうさんが子どもの頃から、夏のキャンプもゴールデンウィークの遠出も移動はいつも車。新潟から青森や埼玉へ日帰りで出かけてしまう距離感も、以前から当たり前でした。今年は母親も退職して2人の自由な時間が増え、遠出の規模はさらに大きくなっているといいます。

緻密な旅程表も今回が初めてではなく、母親の退職記念で沖縄を訪れた際も同じフォーマットで作成。若い頃は模型作りが好きで、実家には1畳ほどの鉄道模型(Nゲージ)のジオラマがあり、「妙なところで緻密さやこだわりが発揮される」人柄なのだそうです。

おさとうさんは「ことをなす前に計画を綿密に立て、実際予定通りにいかなくてもそれはそれで楽しむ姿勢は学びたいです」と話します。年齢を言い訳にせず、軽のハンドルを握って走り出す両親のパワフルな姿は、子どもの目から見てもまぶしく映っているようです。

(まいどなニュース特約・山岡 もと子)