(樋口魚さん提供)
(樋口魚さん提供)

83歳から絵を描き始めた男性がSNS上で大きな注目を集めている。「怪我で入院したのをきっかけに83歳から突然に絵を描き出した親父の絵をちょっと見てほしい」と作品の数々を紹介したのは樋口魚さん(@hideyossy)。

犬や猫、昆虫のキャラクターをユーモアあふれるタッチで描いた数々の作品たち。発想力といい大胆な筆運びといい、とても高齢になってから絵を始めたとは思えない仕上がりだ。

SNSユーザーたちから

「絵本の挿絵みたいな味わいがある絵ですね~!突然描き始めたっていうのがなかなか…いくつになっても発露はあるんだなぁ。素晴らしい、好き!」
「めちゃくちゃすごいじゃないですか!これ、うれますよ…たぶん…この人しか描けない、どれもそうですね。しかも、絵には珍しくマイナス要素がほぼないですね…素敵な絵です」
「コレですよコレ!AI時代だからこそ怒涛の個性で押し切る人間の絵は輝いてます!」

など数々の賞賛の声が寄せられているこの男性について、樋口さんに話を聞いた。

ーーお父様のプロフィールをお聞かせください。

樋口:本名は樋口直義ですが「突然画伯naottaby」(トツゼンガハクナオッタバイ)という名義で活動しています。

1942年生まれの84歳で大分県日田市出身。現在は愛知県在住で、以前はクラシックカー再生工場「新和自動車」代表を務めていました。

ーー絵を始められたきっかけは?

樋口:昨年11月末、仕事中に脚立から落ち、左大腿骨と左手首を骨折し頭も強打してしまいました。救急搬送の後、入院。ボルトを三本脚に入れ込む手術は無事成功し、あっという間に自立歩行できるようになりましたが、本人の意思に反して約3カ月間のリハビリ入院生活を余儀なくされました。

元来、有り余るエネルギーの持ち主のため、入院生活があまりにも退屈で不本意だったのか、長女の携帯に「画用紙と色鉛筆を今すぐ持ってこい!」という謎のLINEが。約1カ月後、担当看護師さんから「ナオさん絵がお上手だったんですねえ、病院に飾らせてもらっています」という意味不明の電話が鳴り、「親父とうとう気でも触れたか?」と心配になり家族で病院へ面会に行きました。

ーーそれまで絵はまったく描かれていなかったんですか?

樋口:はい。恥ずかしかったのか、父はなかなか絵を見せたがらなかったのですが、看護師さんが業を煮やしてスケッチブックを持ってきてくれ、中身を見て驚きました。

看護師さんが「素敵な絵を描くんですよ。でも、当然ご家族の皆さんはナオさんが絵を描くのが趣味なのご存じだったんですよね?」とおっしゃったのですが、父はおそらくピカソもゴッホも名前くらいしか知らないと思います。美術館に行ったこともないんじゃないでしょうか。それを伝えると看護師さんは、震えた声で「院長~!院長~!!」と院長を呼びに行きました。

突然画伯naottabyの誕生です(笑)。

ーーだいたい意味はわかりますが、個性的なペンネームですね(笑)。

樋口:「直義」のナオと、骨折が治ったの「ナオッタ」、そして九州弁で「です」を意味する「バイ」をつなげた造語なんです(笑)。

◇ ◇

naottabyさんは今年2月に樋口さんの投稿がバズって以降、個展を開き原画を販売するなどますます精力的に活動しているそう。活躍の様子は樋口さんのXやInstagramで紹介されているので、ご興味のある方はぜひチェックしていただきたい。

(まいどなニュース特約・中将 タカノリ)