「おしゃれだけど、何が言いたいのか分からない…」
そんな表示やサインを街で見かけたことはありませんか?
例えばトイレ。スタイリッシュなデザインなんだけど、男性トイレなのか女性トイレなのかが瞬時に判別できない、というようなケースです。
「おしゃれで格好いいデザインほど、伝わりにくくなることがあります」
そう話すのは、看板の専門家・朝倉広二さん。
巷には「格好いいけど伝わらない看板やサイン」があふれており、あらぬ誤解や間違いを生む原因になっているとか。
朝倉さんも、先ほどのような「おしゃれすぎるトイレのサイン」によって、男性なのに女性トイレに間違って入ろうとしてしまい、マダムにギョッとされたことがあったとか。
朝倉さんは「一歩間違えば大惨事でした」と苦笑いします。
あるいは、ビルの看板を見てお目当ての店に行こうとしたのに、全然たどり着かない。はたまた、入口を間違えてしまって大恥をかいてしまった…。たかが看板ですが、分かりにくさがこうした事態を招いているのも事実です。
このような「分かりにくいサイン」が街に増えているのはなぜでしょうか?
理由のひとつは、デザインする側が「格好よく見せたい」「目立たせたい」と考えるあまり、人の目線や行動を見落としてしまうことです。
実際ある眼科では、看板で眼科名を目立たせてしまったせいで、そこが正面玄関ではないのに、患者さんが入ってこようとするケースが続出したのだとか。
眼科側から「なんとかなりませんか…」と相談された朝倉さんは、看板から眼科名を外し、代わりにドアに「正面入口へお回りください」と表示することで、間違って入ってくる患者さんを激減させることに成功したといいます。
「お店の看板などは、目立たせたいと思うあまり、見る人の目線よりも、派手な色や奇をてらったデザインにしがち。でも、それがかえって伝わりにくさとなって、集客に影響していることがあるんです」
これからお店を出す人は、おしゃれ度や目立ち度ではなく、人の目線や行動をよく考えた上で看板をつくったほうが、お客さんへの「小さな親切」にもなりそうです。
(まいどなニュース特約・高野 朋美)
























