一般家庭の分電盤 ※画像はイメージです(木村 亨/stock.adobe.com)
一般家庭の分電盤 ※画像はイメージです(木村 亨/stock.adobe.com)

施工に関する感覚の違いがSNS上で大きな注目を集めている。

「電気屋さんって、なんで人ん家の分電盤に許可なく油性ペンで直に印つけちゃうんだろう……今日もされた。前も別の工事の人にされた。しかも汚い字。見るとなんだか嫌な気持ちになるから、しないでほしい。付箋とかセロテープはってから印つけるとか配慮してほしい……」

とその模様を紹介したのは福岡県糸島市の「いとの森の歯科室」のXアカウント(@itonomori)。

分電盤の分岐ブレーカーに油性ペンででかでかと書かれた「・」や「居間」の文字。作業をわかりやすくするため書いたものだと思われるが、たしかにもう少し別の方法があるようにも思われる。

過半のSNSユーザーたちから

「はじめまして、街の電気屋です、確かにブレーカーの場所を記憶しておきたいかも知れないけどせめて養生テープに書いて仕事終わったら撤去するべきですね!全く自己中心ですね!他の方も書いてますが、専用のラベルなら苦情無いかと思います」

「メンテナンス業もやる建築現場の職人です。誰にも見れない所でも、私は勝手に書いたりはしないですね。なぜだか年輩の職人さんはお客さんの許可なく無意識に書いてますが、、、」

「それが電力会社の物ではなくて、個人の持ち物だということがイマイチわかってない…わけないので、単純にメチャクチャな人なんだと思いますね。素人が触らないような物ではないから、『見えないところ』でもないし、やって良いことと悪いことの区別がついてなさそうです」

など数々の共感の声があがる一方、少数ではあるが

「場所もなにもかかれていないエアコン用ブレーカーが2つある時点でしゃーない 。間違えて短絡させましたとかしないためのリスク回避、安全措置。テープだと悪意あるやつがはがして別のところに貼ったり、何かの拍子に剥がれてテキトーなとこに貼ったりする奴もいるから直接書くよね」

「基本的にこの配線は今後ずっと変わる事がないため、テープ類に書くと劣化ですぐに剥がれたり朽ちてしまうため。ワシは逆にちゃんと仕事してくれてるなと確認出来て安心じゃがのぉ」

と業者の肩を持つ声も寄せられる今回の投稿。いとの森の歯科室の室長に話を聞いた。

ーー「・」を書いた電気屋さんはどんな方だったのでしょうか?

室長:年代はおそらく80代、性別は男性で、口数の少ない方でした。

その日は自宅の防音室工事で、専用回路を作るために内装業者さんから呼ばれた方のようで、その日はたまたま在宅していたので最初にご挨拶はできたものの、作業自体わずか30分程度で帰って行かれたため、お名前も存じ上げないままでした。

ーー「居間」はその前に来た別の業者が書いたのですね。

室長:コメント欄ではエアコン業者についてかなり議論が上がっていたようですが、投稿の日はエアコンの工事ではなく専用回路を2つ、リフォームの際に専用回路でのコンセントを2箇所に作るという工事でした。

「居間」の文字はまた別の電気屋さんが書かれたもので、この男性が書かれたのは2つの黒い丸の印(専用回路の目印として書かれたもの)のようです。ただ、私目線では2回連続でそれぞれ違う電気屋さんに直接書き込まれたので、「電気屋さんって…」という書き出しになってしまっております。

ーーマジックで書かれているのを見たご感想は?

室長:書いていらっしゃる場面自体は見ておらず、帰られた後に直接油性ペンで書かれていることを知りました。帰られる際に「専用回路だとわかるようにしておきました」とは言われたのですが、まさか直接書き込まれているとは思わず、それなりにショックは受けました。今でも直接書かれたことはいい気持ちはしません。

そもそも新しい分電盤ですし、家も数年前に全部をリノベーションした持ち家で現在もローン返済真っ只中です。家というのは人生を通して最も高額な買い物ですし、ひとり親で借金を返しながら事業を営む自分にとっては、娘たちに残せる少ない財産のひとつでもありますので、私としてはそれなりに思いがあります。

ーーご投稿に対し大きな反響がありました。

室長:何気なく書いた投稿だったのですが、反響の大きさに戸惑いました。特に電気屋さん同士のコメントのやり取りがいつの間にか専門家同士の議論になっていたり、「自分は大丈夫だ」とか「直接はダメだろう」などと一般の方々の中でもコメント合戦になっている状況を見て「発端を作ったものとしては、この状況どうしたらいいのだろう…」という気持ちと、これをきっかけに個人宅における印の書き方などについていろいろな方に見直していただけたらいいなという気持ちと、その両方の気持ちが生まれました。

もちろん電気工事だけではなく、みなさんそれぞれの職場の持ち物、建物などを他人の持ち物であるという認識を改めて持っていただけたらそれだけでもお役に立てるのかなと思います。

  ◇  ◇

読者のみなさんは今回のようなケースについて、どのように感じるだろうか?

なお、いとの森の歯科室は山間地で診療を行いながら、長年音楽イベントを開催し、地域の文化活動促進に力を注いでいる。今年11月7日には10周年記念コンサート「武部聡志プレミアム・ライヴ」 ~Special Guest 松本英子~を予定しているので、ご興味のある方は、ぜひSNSをチェックしていただきたい。

(まいどなニュース特約・中将 タカノリ)