職場などで、強い影響力を持つ『おつぼねさん』に出会った経験がある人は少ないないでしょう。漫画原作者・たつじさんの作品『おつぼねさんと私』では、アルバイト先のお局さんに対して募ったモヤモヤと彼女の意外な一面について描かれており、X(旧Twitter)にて注目を集めています。
23歳の田端はスーパーで働いていましたが、ひそかに恋心を抱いていた店員が既婚者だと知り、仕事を変えることにしました。その後、田端はファミリーレストランのアルバイトとして採用されます。店長と面接を受けていると、偶然通りかかったベテラン店員・兼代に「なんでも聞いてね」と笑顔でいわれます。
しかし翌日、兼代はまるで人が変わったかのようにイライラしていました。田端の挨拶も無視し、片付けも顎で指示したうえで舌打ちしてきます。バックヤードでは、「ったくどいつもこいつも使えねー!」と激昂する有様でした。
その後兼代は、雨にも関わらず外の窓を拭くように田端に指示します。田端はモップの場所が分からず休憩室に戻ると、そこには満遍の笑みで店長に接し、手作りクッキーを渡す兼代の姿がありました。仕事を終えた田端は、先が思いやられると感じつつ帰路につきます。
翌日、兼代は金を出さないと言い張る客に、真っ向から立ち向かっていました。客は兼代の胸ぐらをつかんできたため、警察を呼ぶようにいいます。その後、客は取り押さえられましたが、田端はすぐに警察を呼ばなかったため兼代に怒られてしまいました。
その後の休憩室にて、田端と店長は今日のことについて話をしていました。すると店長は、兼代の手作りクッキーをゴミ箱に捨ててしまいます。田端は何とも言えない感情のなか、「私もっと強くならなきゃ!店長のために!」と笑顔になる兼代に、なぜ既婚者の店長が好きなのか問います。すると兼代は「だから?」とまったく意に介していない様子だったのです。
兼代の図太さに感心していると、翌日、田端は再び窓掃除をお願いされました。田端は猛スピードで掃除を終わらせて休憩室にもどると、そこには大粒の涙をこぼしながら店長と話す兼代の姿がありました。兼代は、本当は昨日対峙した客がすごく怖かったようですが、店長の役に立ちたくて真っ向からむかっていったのです。田端は2人の様子を覗いていたのを、兼代にバレてしまいました。
翌日、兼代は出勤してきません。来月のシフト希望も出していなかったため、田端はみずから兼代の家に行くことにします。すると兼代の母である高齢女性の案内で、自宅へお邪魔することになりました。兼代は自宅では「美穂ちゃん」と呼ばれているようで、母による昔話に花が咲きます。田端も兼代の様子を、ニヤニヤと笑いながら見ていました。
ところが兼代は、肝心のシフトを渡さず立ち去ろうとします。店長にあわせる顔がないと話す兼代に、田端は「そんなの兼代さんらしくない!好きにしたらいいじゃないですか!」と強く反論します。しかし兼代は「帰れクソアホが!」と怒鳴り、去ってしまいました。
結局田端は、そのあとすぐ兼代と喧嘩になり、アルバイトを辞めてしまいます。しかし田端は、このときの気持ちを今でもたまに思い出すことがあり、今日もファミリーレストランで働く兼代に思わずちょっかいをかけるのでした。
読者からは「こんなおつぼねさんいる!」「すごい胸に来る…」などの声があがっています。そこで作者のたつじさんに、同作について話を聞きました。
■自身がおつぼねさん的な年齢となって両方の感覚がわかるようになり…
-同作を描いたきっかけについて教えてください
今まで勤めたバイトや会社などで印象的なおつぼねさんがたくさんいたのと、私自身がおつぼねさん的な年齢になってきて、両方の感覚がわかるので描いてみようと思いました。
-兼代さんの自宅での様子も印象的でしたが、普段は自宅ではどのような様子だとご想像しますか?
ちょっとわがままだけど感受性豊かな娘さん、という感じだと思います。
-登場人物がとても印象的な作品でした。たつじさんは他にも、どのような作品を手掛けているのでしょうか。
ありがとうございます。ほかには、道場で婚活女性がしばかれまくる『婚活道場』、3人の処女たちのシェアハウスに男が一人紛れ込む『ポコと三人の処女』の原作を手掛けております。今は次回連載企画を構想中です。
(海川 まこと/漫画収集家)























