資さんうどん両国店の「肉ごぼ天うどん」。ごぼう天を3本か5本か選べるのも喜ばれている=東京都墨田区
資さんうどん両国店の「肉ごぼ天うどん」。ごぼう天を3本か5本か選べるのも喜ばれている=東京都墨田区

 「なぜ関東で福岡の『やわうどん』が人気なの?」。西日本新聞「あなたの特命取材班」に調査依頼が寄せられた。「北九州のソウルフード」と呼ばれる「資(すけ)さんうどん」や博多うどんの老舗「因幡うどん」が相次いで進出した関東で今、柔らかい麺が特徴の福岡うどんがブームとなっている。都内で謎に迫った。(西日本新聞社)

■物価高も追い風

 東京都渋谷区のJR原宿駅から徒歩5分の因幡うどんハラカド店。力の源(もと)ホールディングス(HD、福岡市)が福岡県内で8店舗を運営する因幡うどんの東京1号店として、4月に開店した。オープンから日にちがたっても昼時は満席で、食券機に行列ができる。高橋伸年店長(46)は「思った以上に期待してもらえている。ようやく東京に出してくれたという声を頂く」と手応えを語る。

資さんうどん両国店の「肉ごぼ天うどん」。ごぼう天を3本か5本か選べるのも喜ばれている=東京都墨田区

 1番人気の肉ごぼう天うどん(1250円)を食べてみた。コクのあるだしと太くてやわい麺…福岡の味だ。水の硬度が福岡と異なるため、調整して同じ味を再現しているという。都内で働く福岡市出身の男性会社員(65)は「因幡うどんは心のふるさと。もっとお店を増やしてほしい」とうれしそうに頬張った。