京都府内自治体の帯状疱疹ワクチン接種料金
京都府内自治体の帯状疱疹ワクチン接種料金

 2025年度から65歳以上の高齢者を対象に始まった帯状疱疹(ほうしん)ワクチンの定期接種料金について、京都新聞読者から「京都市だけどうしてこんなに高いのか。財政難だからか」(70歳男性、伏見区)と疑問の声が寄せられた。京都と滋賀の全市町村を調べると、実際、驚くほどの差があった。2種類あるワクチンのうち、より効き目が高いとされる不活化ワクチンは最も安い東近江市などが1万円(2回接種分)なのに対し、最高額の京都市は3万6千円(同)もする。格差の背景を探った。(京都新聞社)

■「不活化」最高額は京都市3万6千円

 定期接種は高齢者の発症リスクを踏まえ始まった。本年度は、65歳から95歳まで5歳刻みの年齢と100歳以上の人が対象。ワクチンは生ワクチンと、2回接種が必要な不活化ワクチンの2種類がある。

 国が市町村に示した標準的な金額だと、自費で接種した場合、ワクチン代と医師への技術料(手技料)を合わせ生ワクチンが約8800円、より予防効果が高い不活化ワクチンが2回接種で計約4万4千円。

 京都府内26市町村と滋賀県内19市町の接種料金と金額設定の根拠を調べると、京都市以外の多くの市町村は、現役世代を中心とする保険診療の自己負担割合「3割」を目安にし、接種時に支払う額を費用全体の3~5割程度になるよう残りを公費で補助していた。京都で、最も安く接種できるのは自己負担額を3割相当になるよう設定した宇治市や精華町など8市町村で、生ワクチン2500円、不活化ワクチン1万3千円。生ワクチン3千円の宮津市の担当者は「高齢者にはいきいきと暮らすために自己負担少なく受けてほしい」と強調した。生ワクチン4千円、不活化ワクチン2万円で自己負担5割相当に設定した大山崎町の担当者は「自身の予防という観点から半額相当」と説明する。

京都府内自治体の帯状疱疹ワクチン接種料金

滋賀県内自治体の帯状疱疹ワクチン接種料金

 滋賀で最も安いのは生ワクチン2千円、不活化ワクチン1万円とした東近江市と愛荘町で「感染症対策を進めるため」「接種しやすいように」、自己負担額を抑えたという。高いのは大津市の生ワクチン4300円、不活化ワクチン2万1800円。大津市は「一生に一度の接種でワクチン自体が高価なため、市財政とのバランスを考慮した」。