「帯状疱疹」と診断される作者のこばやしさん(こばやしたけしさん提供)
「帯状疱疹」と診断される作者のこばやしさん(こばやしたけしさん提供)

体に些細な異変が生じた場合、なかには「大したことない」と高を括る人もいるでしょう。しかし、症状が悪化して病院に行ったところ、思わぬ診断結果が出ることもあります。

漫画家のこばやしたけしさんがX(旧Twitter)に投稿した『眼の異常かと思ったら帯状疱疹だった話』は文字通り、眼に帯状疱疹が発症したこばやしさんの様子が描かれたショート漫画です。背中や腰などに発症するイメージが強い病ですが、意外な症例に注目した人は多く、3500件を超える「いいね」が寄せられています。

4月のある日、こばやしさんは右眼周りと額あたりに、ピリピリとした疼きのようなものを感じたそうです。時間が経っても不快感は去らず、翌日の朝に眼科を訪ねたところ、眼科医から「あーっと これは…帯状疱疹だねー」と診断されます。

体に症状が出るものと思っていたこばやしさんは「眼とか…額に? 帯状疱疹って…? え?」と困惑していると、眼科医は「出るよ」とあっさり回答。「知らなかった」と驚ているうちに、眼科医から「今、紹介状を書くから すぐに皮膚科に行きなさい」と案内されて…。

こばやしさんの体験談に対し、読者からは「まったく知らなかった」「やっぱり早く病院に行くことが大切だね」などの反響が。そこで作者のこばやしさんに、同作を手がけたきっかけについて話を聞きました。

-同作を描いたきっかけを教えてください。

今まで体感したことのない痛みといいますか、不快感でしたので、自分の体験談として残しておこうと思って描きました。一応、漫画家でもありますので、ざっくりとした感じではありますが、読みやすくまとめさせていただきました。読んだことによって「帯状疱疹」のイメージが湧いてくれればなによりですし、もしこうした症状が出た場合、「ひょっとして前に漫画で読んだアレか?」と早めに受診するきっかけとしてお役に立てれば、と。

-作中のこばやしさんの反応と同じく、眼や顏に帯状疱疹が出ることに驚きましたが、実際に経験されたなかで、特に印象に残っている、他に驚かされた出来事があれば、ぜひお聞かせください。

やはり「処置が遅れると、失明するおそれもあった」というところですね。正直なところ、帯状疱疹というイメージはお腹や背中周りに出るという先入観があって、顔や目の周りにも発症し、そこから失明や失聴のおそれがある、というのは思ってもいなかったので。

-創作漫画として『父と娘の日常。』も描かれているこばやしさんですが、日常を反映するコミックエッセイのネタに関しては、やはり常にアンテナを張っているのでしょうか?

私は普段父親としての目線で生活しておりますが、逆に娘の視点で考えるとどうなるか?というのを常々考えており、そこで思いついたことを作品に投影してるかと思います。それこそ料理、食事やお風呂、掃除や洗濯といった普段の生活、それこそ「日常」から思いつきます。

-読者にメッセージをお願いいたします。

毎回更新を楽しみにしてくださる読者さまのリアクションや、応援によって続けることができています。引き続き楽しんでいただけるよう頑張りますので、どうぞこれからも読んでいただければ幸いです。

(海川 まこと/漫画収集家)