記事特集
兵庫県や神戸市などでつくる阪神・淡路大震災記念協会は、震災犠牲者を追悼し、統計数字では計り知れない被害の悲惨さを後世に語り継ぐため、二日、犠牲者の顔写真や遺族の思いを書いた文章などの募集を始めた。震災から十年目を迎えたが、公的機関が顔写真を含めた「犠牲者の記録」を収集、保存する試みは初めて。来年三月をめどに、同協会が運営する人と防災未来センター(神戸市中央区)のパソコン画面で公開する。
募集内容は、ほかに犠牲者の名前と年齢、住所、被災場所で、専用の申込用紙に記入してもらう。遺族からの提供を原則とし、一部の内容だけでも受け付ける。震災犠牲者は消防庁の統計で六千四百三十三人とされるが、震災が遠因で亡くなり、これに含まれていない人についても、個別に受け付けるかどうかを検討する。
寄せられた内容はデータベース化し、住所の詳細部分などを除いて公開するが、遺族の意向によって非公開も可能。提供写真は希望があれば、返却する。募集は来年三月以降も続ける。
同協会は今後、自治体や市民団体にも協力を求める予定。「震災経験の風化を防ぎ、将来の災害で被害を減らすことにつなげたい。一人でも多くの遺族に協力してほしい」と話す。
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