記事特集
阪神・淡路大震災から十年の節目を迎える中小企業の現状を探るため、神戸新聞社と兵庫県中小企業家同友会が同会員六百社を対象に行った合同調査で、40・8%が震災前の一九九四年に比べ減収となっていることが十三日、分かった。中でも被害が大きかった神戸・阪神地域の比率が高く、地域経済に震災のダメージが色濃く残っていることをあらためて裏付けた。
昨年十一月、神戸・阪神間から播磨地域にかけての六百社に調査用紙を郵送。二百二十一社(36・8%)から回答を得た。
地域別では、被災の影響が大きかった神戸・阪神で減収が45・3%、増収は33・1%。一方、被害の少ない播磨は減収が28・5%にとどまり、増収は51・8%に達した。
また、神戸・阪神では「震災以降の創業」との回答が8・8%あり、十年間に起業が活発になっていることを示した。
業種別でみると、建設業が減収47・8%に対し増収30・4%で差が大きかった。公共事業の減少が要因とみられる。他の業種は減収と増収がほぼ同比率だった。
震災前との経常損益の比較は、減益や赤字転落、赤字拡大などマイナス傾向が計49・5%。増益や黒字転換、赤字縮小などプラス傾向は計36・8%だった。
分析に携わった兵庫県立大学経営学部の佐竹隆幸教授は「震災の影響に加え、十年間で経営変革に熱心だったかどうかの差も、業績の格差につながっているのではないか」と指摘している。(原 康隆)
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